「鳥谷以降は誰もいない」拙守だけじゃない名手・木浪聖也の“不振” 阪神が苦悩する「遊撃手問題」に解決策はあるか
もっとも、今季の木浪において懸念されるのは守備面だけではない。打撃に関しても芳しくないのだ。打率.220の低調さに加え、三振率も25.0%を記録。これは下位打線の起用による影響は少なからずあるにせよ、打者が平均よりもどれだけ得点を創出したかを表す指標『XR+』は「-0.79」とマイナス数値となっている。
データが全てではないにしろ、ここまでの木浪が精彩を欠いているのは明白ではある。となれば、「じゃあ代役を――」と思うが、筆頭候補となる小幡も打率.182、OPS.468と自慢の攻撃力を発揮できず……。1軍に帯同し、二軍では遊撃手を守っていた髙寺望夢は、出場5試合のスモールサンプルながら打率.000と心もとない。
ふと二軍を見れば、昨秋のドラフト5位で、現在打率.367と好調の佐野太陽に加え、高卒2年目の山田脩也、さらに高卒3年目の戸井零士と言った遊撃手で起用可能な有望株はいる。しかし、今の重圧のかかる状況下で経験値の低い彼らを抜擢するリスクを球団が取れるかどうかは不透明。そうなると、やはりベテランの域に入っている木浪自身にどうにか踏ん張ってもらうしかないか。
歴史的に多くの名手たちが彩ってきた阪神の遊撃手。それだけにどうにも不安定な現状にはXをはじめとするSNS上でも「何度も同じことを繰り返している」や「いい加減に誰か据えたい」「鳥谷以降は誰もいない」といった批判は小さくない。そんな世間の耳目を集める花形とも言えるポジションを誰がどう担っていくのか。捲土重来を期する藤川阪神にとって小さくない課題となっていきそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】藤川阪神、広島に"守り負け"守備の名手に何が…木浪聖也が1試合3失策の痛恨
【関連記事】「誰も打てないんじゃない?」唸る虎の高卒左腕が驚異的な理由 藤川阪神での“本格開花”を裏付ける凄まじい「11.25」
【関連記事】「左の高橋遥人が右になったような感じ」 藤川阪神で球界OBが注目する"隠し玉" ブレイク必至な2年目投手の存在感






