鶴岡慎也氏が語るルーキー時代の大谷翔平秘話 「直球を投げさせなかった理由」とは
投打二刀流、唯一無二の存在感を示している大谷。(C)Getty Images
14年ぶりの世界一奪還を果たし、今春、日本中が歓喜の渦に包まれたWBC。
全ての試合で圧倒的な存在感を見せたのは、二刀流、大谷翔平(エンゼルス)だろう。投打にわたって活躍、米国との決勝戦では9回のマウンドに上がり、同じチームの盟友、マイク・トラウトを空振り三振に斬って取るという「筋書のないドラマ」も話題を呼んだ。
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そんな大谷のルーキー時代にバッテリーを組み、このWBCではブルペンキャッチャーとしてチームに貢献した鶴岡慎也氏が、昨年出演した古田敦也氏のYouTubeチャンネル「フルタの方程式」内でルーキー時代の大谷の配球について、あるエピソードを披露している。
今では様々な球種を投げ分ける大谷だが、何といっても160キロ超えの迫力あるストレートは、自身が持つ球種の中でも軸となるものの一つだろう。
プロ1年目からストレートは、すでに157 km/hをマークをしていたが、当時バッテリーを組んでいた鶴岡氏は、大谷の武器とも言えるこの球種を、試合の中ではあまり要求せずにいたという。
周囲からは、「なんでもっとストレートを投げさせないのか?」という声も上がっていたというが、これについて鶴岡氏はこのように振り返る。
「ストレートは、5球に1球は指にかかった素晴らしいボールが来るんですが、確率が低かったんです。ストライクが入らないと試合にならないので。逆にスライダーやカーブの方がカウントを取れたので、そっちを軸に組み立てていました」
球速はあるものの、コントロールが不安定だったゆえに変化球中心の配球をしていたという鶴岡氏。