かつての女房役、鶴岡慎也氏が明かすWBCを通じたダルビッシュの苦悩「実戦で投げられなかったのが…」
その中で鶴岡氏はダルビッシュの大会中の状態について「正直状態はそんなに良くなかった」とコメント。今大会で12年ぶりに日本で野球をプレーしたダルビッシュにとって、20台前半だった渡米前と36歳となる今回では自身の置かれる立場が大きく違った。
それゆえに、親交の深い鶴岡氏は、「彼は結構気を遣う人間。今回は後輩も多かったですし、物凄く気を遣ったのでは」と、ダルビッシュの性格をふまえて擁護する場面も。
加えて鶴岡氏は、合宿期間から通じた調整のむずかしさについても言及。
「実戦で投げられなかったのが1番辛かったと思います。実戦で投げないと、何を調整したら良いのかがわからないので」
と、大会前にライブBPなどの登板はあったものの、通常のシーズンと違って実戦登板なしでぶっつけ本番で大会に入ったことの影響を指摘した。
それでも、「しっくり来ていないような仕草はあっても、彼は決して弱音を吐かない。それでもマウンドには上がらなければ行けなかったので、色々なものを背負っている姿に『頑張ってくれ』と思いましたね」と、間近で感じたダルビッシュの「プロ」としての一面と自身の思いを明かした。
最後は誰もが知る大団円を迎えた。次回大会について「またこのメンバーで集まろう!」とナインに呼びかけたのもダルビッシュだった。日本中に感動を届けたレジェンド右腕の陰の功績は色あせることはない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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