「翔平らしさが出る時は、実はああいう時」――パドレスとの頂上決戦で出た“咆哮” 大谷翔平の叫びに蘇った恩師の言葉

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 そんなエネルギッシュな姿を目にし、大谷の“恩師”の言葉が脳裏によみがえった。

 23年の春に列島を騒がしたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。負ければ終わりの準々決勝はイタリア戦でのことだ。「3番・DH兼投手」で先発した大谷は気迫を前面に押し出した投球で4回2/3(71球)を投げて2失点ながら5奪三振をマーク。打っては1安打に抑えられたものの、相手の意表を突くセーフティーバントで好機を演出していた。

 球場全体を活気づけ、チームを勝利に導く活躍をしていた大谷。魅力に溢れたパフォーマンスに日本代表を指揮した栗山英樹監督は、目を細め、どこか感慨深げに言葉を絞り出した。

「僕がずっと彼を見てきて、翔平らしさが出る時っていうのは、実はああいう時で。投げる、打つは別として、『この試合は絶対勝ちにいくんだ』と、野球小僧になりきった時に彼の素晴らしさが出る。翔平の話ってあんまりしないですけど、そういう彼の想いって見てる人も感じてくれたと思う」

 野球小僧になりきった時――。このパドレス戦での咆哮とチームを鼓舞する姿は、栗山監督の言う「野球小僧」のそれだった。相手に譲れない試合で、否が応でも緊張感が高まる局面。その展開でも集中力を持続させながら楽しむ姿は大谷の偉才たる所以か。

“ヒリヒリした9月”も気づけば、残り僅か。レギュラーシーズンもあと4試合となった中で、自身初の地区優勝に邁進する大谷の一挙手一投足をじっくりと楽しみたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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