成績抜群なのになぜ懐疑論? 大谷翔平のMVP受賞が「再考する必要がある」と論じられる事情とは
今季のMVP獲得は間違いなしと見られてきた大谷。しかし、彼の受賞に反発する声も上がっている。(C)Getty Images
とあるアメリカ人コメンタリーの放った一言が物議を醸している。キッカケとなったのは、MLB公式ネットワーク局『MLB Network』の人気番組「High Heat」に出演するクリス・ルッソ氏による今季のMVPに対する意見だ。
「私は彼を絶対にMVPにはしない」
そう断言するルッソ氏は、アメリカン・リーグのMVPが確実視されている大谷翔平(エンゼルス)の受賞を真っ向から否定。さらに「絶対に」と強調する理由として「チーム(エンゼルス)は大きく負け越しています。『最も価値のある選手(Most Valuable Player)』とは、一番優れた選手という意味ではありません、『価値のある』選手という意味です」と続けた。
いささか“暴論”なようにも思える。なにせ今季の大谷は近年のMVP選出で重要視されている指標「WAR」でもリーグダントツの10.0を記録。さらに史上初の「シーズン40本塁打以上&2桁勝利」の金字塔を打ち立てるなど、「価値のある」働きを見せていた。
もっとも、ルッソ氏が指摘した通り、エンゼルスは8年連続でのシーズン負け越しが決定。充実の戦力を整えながらも、またも悲願のポストシーズンを逃していた。これも紛れもない事実である。
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