珍しいガッツポーズに見た「焦る気持ち」 水原氏の裏切り騒動にも揺れた大谷翔平から飛び出した“特別な1号”
思えば、大谷の周辺では春先からグラウンド内外で喧騒が続いていた。とりわけ小さくない衝撃を与えたのは、先月20日には韓国・ソウルでの開幕シリーズ直後に明らかになったスキャンダルだ。専属通訳だった水原一平氏が自身の銀行口座の資金を利用し、違法賭博を行なっていたと判明。球団から電撃解雇され、自身も賭博への関与が疑われたのである。
同25日に行った声明発表会見で大谷は自ら「僕自身、何かに賭けたり、スポーツイベントに賭けたり、頼んだこともないですし、送金を依頼したこともありません」と釈明。自身にかけられる疑惑を真っ向から否定した。ただ、日本ハムで縁を結び、二刀流を陰で支えてきてくれていた水原氏の“裏切り行為”に、相当な心労があったのは想像に難くない。
そうしたなかで、大谷はグラウンド上で“結果”を求められ続けた。名門ドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)という超巨額契約を締結した背景を考えれば、必然ではあったが、それが本人の言う「焦る気持ち」に繋がったのではないか。
たかが一発、されど一発だ。試合後の会見でロバーツ監督は「本調子に非常に近づいている。今日は甘い球をしっかりスイングできていたし、タイミングも合っていた。ミスでさえも、わずかな誤差だったんだ」と回想。そして、ここからの快進撃に期待を寄せている。
「グラウンド内外に関係なく、逆境に立たされるまでは人の本質は知れないものだ。そうしたなかでショウヘイは本当に動じてはいなかったと思う。皆が望んでいるような結果はまだ出ていないが、ここから必ず出してくれるよ。彼の毎日の振る舞いを見ていると、仕事とそれ以外のことをとてもうまく分けている」
試合後の取材で「これを機に自分の打席を継続したいと思います」と前向きに語った大谷。試合後に「僕にとって特別」と振り返った一発で吹っ切れたであろう偉才は、掴んだ感覚を、ここからの打席で落とし込めるか。引き続き目が離せない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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