「この調子では壊れる」大谷翔平を放任しすぎた? エ軍の管理体制に止まぬ批判「彼自身から彼を守らなければいけない」
投手としてのシーズンが絶望となった大谷。彼に対するエンゼルスの管理が合っていたのかは議論が続いている。(C)Getty Images
恐れていたことが現実となってしまった。現地8月23日に大谷翔平(エンゼルス)が右肘靭帯損傷と診断され、投手としては今季終了となった。
懸念は以前から上がっていた。今季の大谷は先発投手として中5日でローテーションを回しながら、チームが消化した128試合中126試合でプレー。その間には腕の疲労や痙攣によって交代を余儀なくされてもいた。
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たしかに怪我は不可抗力の面は否めない。まして「唯一無二の二刀流」を維持させるのは、どの球団とっても未知だろう。しかし、ポストシーズン進出がほぼ絶望的な状況下で、大谷のオーバーワークをもたらしてしまった首脳陣の判断は批判の対象となっている。
「この調子で使い続けると壊れてしまうと私は言い続けてきた」
そう語るのは、MLB公式放送局『MLB Network』の人気番組「MLB Now」でホストを務めるブライアン・ケニー氏だ。
以前から「怪我の兆候はあった」とするケニー氏は、3月のワールド・ベースボール・クラシックから休みなく駆け抜けてきた大谷について「彼はWBCで全力を出した。4月には雨の中の10度のボストンで2回31球を投げた。そのあとに中3日で先発登板もした」と指摘。「オオタニは鉄人だが、壊れることもある。彼が健康を維持できるように最善を尽くさなければいけない」と持論を語った。
もっとも、ケニー氏はエンゼルスの投手としての調整方法については「中5日、もしくは6日で投げるのは悪くない。日本でもそうだったから良い」と強調する。そのうえで問題視したのは、7月27日のタイガースとのダブルヘッダーでの起用だった。
この日の大谷は文字通り二刀流の真価を発揮した。第1戦で投手として完封、第2戦で2本塁打を放つ大活躍を見せ、世間の度肝を抜いた。一方で2試合目の最中には左脇腹の痙攣によって交代をしていた。