大谷翔平は「二刀流」を続行すべきか?密着記者が見た”自分らしさ”を貫く偉才の”覚悟”
手術を行うにあたっての長期的なプランや、日々のリハビリに取り組む姿勢を踏まえれば、二刀流の復活へ強い気持ちで臨んでいることは間違いない。5月27日、投打でプレーすることへの情熱について「特に変わってないですね。この手術も1回目ではないですし、2回目で、ある程度どういうスケジュールでいくかは分かっているので、あまり焦ることなく出来ているかなと思います」と言った。時折、同僚・山本由伸のフォームのモノマネなどで楽しみ、リラックスした様子も見せる。リハビリスタッフとともにコミュニケーションを取りながら、着実に段階を上げている。
長期的な二刀流継続を目指しつつ、自分らしさを貫く覚悟もある。投手・大谷は100マイル (約161キロ)前後のフォーシームが大きな魅力の1つ。一方で肩肘には負担がかかり、故障のリスクも高まる。大谷は「出力が上がれば、パワーピッチャーだとしょうがない部分ではあるので、そこは前回から今回もそうですし、ある程度割り切ってというか、パフォーマンスを下げないように、そこだけは注意してというか、自分自身であまり諦めないように、そのままの感じでいきたい」と話し、妥協するつもりはない。
打者専念の今季はここまで、腰痛や左太もも裏の打撲が悪化して張りが出たが、大きな故障はなくプレーを続けている。今後、ケアすべき箇所については「一番は肘じゃないですかね。別にかばうことはないと思いますけど、ケアしなければいけないポイントではあるので、毎日ケアしますし、状態を確かめながらやるのは大事」と話した。出来る限り、投手でもプレーを継続する――。その姿勢は毎日の練習や言葉からも伝わってくる。
[文:斎藤庸裕]
【著者プロフィール】
ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。
【関連記事】「彼のような人はいないよ」大谷翔平の14号アーチはまさに“劇場型”「スーパースターそのもの」現地も感嘆の声上げる
【関連記事】「技術さえあれば、どんなメンタルでも打てる」――“水原騒動”に対する大谷翔平の回答にNY紙も脱帽「オオタニの偉大さ不変だ」
【関連記事】「日本では普通なのか?」今永昇太が球審に見せる“珍しくない所作”に脚光 米司会から問われた「礼」を重んじるワケ