なぜ“投手・大谷”の復帰は「馬鹿馬鹿しいほど遅い」のか ド軍幹部も漏らす規格外だから抱える「ジレンマ」

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GMが明かした二刀流復活の肝

 無論、知見のあるキャロル氏の意見も一概には否定できない。米スポーツ医学会での一般的な考えは、彼の言う「本来なら早く終わっているはず」というものなのだろう。

 それでも大谷は二刀流という異次元の挑戦を続ける偉才だ。繰り返しになるが、一般的な考えでは推し量れない面はある。打者としての身体的負担との兼ね合いも考慮した上で、本人が重視する「感覚」と練習下で計測されるデータがクリアにならなければ、管理する側の球団としてゴーサインは出しがたい。

 当然、ドジャースとしても単純な戦力強化という面でも早期復帰に越したことはない。だが、10年という長期契約を考慮しても、より繊細に考える必要がある。この点については、ドジャース幹部も“ジレンマ”を口にする。

 球団編成に携わるブランドン・ゴームズGMは、米紙『New York Post』のポッドキャスト番組「THE SHOW」において、こう語っている。

「当然ながらすべての準備が整って、ライブBP(実戦形式の投球)も問題なくこなせるようになれば、復帰は前進すると思う。ただ、彼の場合は特殊だ。状況を見極めながらプロセスを進めていく必要がある。なぜなら普通の投手のようにリハビリ登板はできないから。彼はDHとして出場を続ける。それもチームにとって欠かせない打者だ。だから、ある程度の見通しは立っているけど、我々としても前例のないケースだと言える」

 現時点で5月以降の実戦復帰が見込まれている「投手・大谷」。その成否は今季のMLBにおける小さくないトピックとなるだけに、“肝”となるドジャースの決断の行方に熱視線が注がれる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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