大谷の今季登板は終了 首脳陣との直接会談も見え隠れする「すきま風」とは
エンゼルス・大谷翔平投手(27)は29日(日本時間30日)、敵地で行われたレンジャーズ戦に「1番・DH」で先発出場。5打数2安打に終わり、期待された1発はこの日も出ず。この日48号を放ったペレス(ロイヤルズ)との差は3本となった。
一方、この日は試合前に大きな出来事があった。大谷の最終登板に関してマドン監督は試合前会見で「彼は日曜日(日本時間4日)に投げない。残りシーズンは投球のことはもう気にせず、打撃に専念してもらいたい」と明らかにしたのだ。登板して勝ち星がつけば、ベーブ・ルース以来、103年ぶりとなる「2桁勝利&2桁本塁打」を達成するとあって、日米を巻き込んで大きな注目を集めていた。
指揮官は、大谷との話し合いで決めたことを明かし「今がシャットダウンするのに適したときだと感じているとのことだったから、そうすることにした。全く複雑なことじゃない」と強調。残り試合を「打者・大谷」に専念することを自身が選んだと説明した。
そしてマドン監督が強調したのは今回の選択は大谷との話し合いの中であくまで円満解決であったということ。
「彼は最後の2登板で非常に力強い投球をし、これ以上得るものはない。だから、投げないのが最善のことかなと思う。ただ、もう1度言うが、これは彼と会話の上で決めたことだ」と言い切った。
ここまで強調するのも、最近の大谷発言によるハレーションが収まらないことも影響しているようだ。26日(同27日)に行われた本拠地最終戦後に大谷はプレーオフ進出を逃したチームや、2023年オフに迎える自らの契約問題について「ヒリヒリする9月を過ごしたい」「エンゼルスというチームは好きだが、それ以上に勝ちたい」など、「決別」とも取れる発言を行っていた。
実際にその後、エンゼルス首脳陣は大騒ぎとなった。衝撃発言を行ったことに対して、マドン監督は「全員が勝ちたいと思っている。彼はチームを去りたいと話したわけではなく、勝ちたいと話しただけだ」。ミナシアンGMも「プロのアスリートは勝ちたいと思うものだ」と一般論に置き換えるなど、『火消し』に必死となった。