一目見ればわかる「モノが違う」逸材 横浜高の最速150キロ1年生右腕・織田翔希とは何者か
織田は「達成感が生まれると、衰退していく」と常に上を見ている(C)産経新聞社
松坂大輔や小山良男らを擁した1997年以来、27年ぶりに明治神宮大会を制した神奈川の名門・横浜高。2025年3月18日に開幕する第97回選抜高等学校野球大会への出場はほぼ確実で、優勝候補の一角に挙がる。
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大きな注目を集めるのが、エース左腕の奥村頼人とともに投手陣を引っ張ってきた1年生右腕の織田翔希だ。185センチ72キロの細身の身体から投げ下ろす正統派のオーバースローで、ストレートの最速は150キロを記録。チェンジアップ、カーブの質も高く、今秋の公式戦では55回1/3を投げ、被安打21、奪三振50、与四死球9、自責4、防御率0.65と抜群の数字を残した。
私は普段、中学軟式野球を見る機会が多いが、2023年8月に高知で開催された全国中学校軟式野球大会で、「モノが違う」と感じたのが北九州市立足立中の織田だった。軟球で最速143キロを投げ込むと、自らスタンドインのホームラン。当時は183センチ62キロと今以上に細身で、それだけに今後の伸び幅にワクワクした。
ちなみに、全中の1回戦が行われたのは、高知市内から車で1時間ほど離れた安芸市営球場。決してアクセスが良い球場ではないが、ネット裏には横浜高の関係者の姿があった。「福岡に好投手がいる」との情報を早くから掴み、本気でリクルートに動いていた経緯がある。
これだけの逸材だったため、いくつもの名門私学が足立中を訪問したが、最終的には松坂への憧れが強く、横浜高に進むことを決めた。
高校入学から8か月。
課題だった体力面や変化球の精度をひとつずつクリアし、センバツ出場の命運がかかった秋季関東大会の準々決勝(対東農大二)では高校初完投を2安打完封で飾った。
これまでは6回以降に球速が落ちることがあったが、この試合では8回に143キロをマークし、本人も「最後まで投げ切れたことが自信になりました」と手応えを口にした。