【男子バレー】パリの“借り”はロスで返す――“代理キャプテン”の富田将馬が抱く並々ならぬ想い

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 もっとも、“ここで”とは2024-25クラブシーズンに置かれた自身の立場を示している。それまで4シーズンを過ごした東レアローズ静岡を退団し、大阪Bへ移籍。そこでは分厚い選手層の中で、リリーフサーバーとして起用されることが少なくなかった。「それまではずっとスタメンでたくさんサーブを受けていたわけですが、控えになると受ける本数自体が減ってしまうので。いざ試合では、どうしても打球をより強く感じてしまう部分はありました」と明かすように、リリーフサーバーとしての難しさを体感したシーズンとなったのである。

 それでも移籍という決断を決して悔やむことはなかった。「強いサーブを受けるイメージは練習から常に持っていました。それにブルテオンには永野健コーチがいますから。アドバイスをもらうことで自分の技術を落とすことなく過ごせた」と富田。聞くに、強いサーブを受ける際にはその威力に対して身体の重心がどうしても高くなってしまうところを、できるだけ前傾姿勢を保つことが大事だと、日本代表でもプレーした永野コーチからは指南されたとか。2024-25シーズンを終えた際に富田は「速いサーブに対するキープ力は上がったと感じています」と充実感をみなぎらせていた。

 成長した手応えともに臨む代表シーズン。昨年はパリ五輪の本登録12名入りは叶わず、「交代選手」として帯同する憂き目にあった。その分、この2028年ロサンゼルス五輪に向けた代表活動には並々ならぬ思いを抱いている。

「ここでやってやる!!」――。

 その思いを、この日の丸のステージでも。

[文:坂口功将]

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