阪神ルーキー森下翔太「逆シリーズ男」にならないために
奮起が期待される森下。この苦境を乗り越えれば大きく成長できるはずだ(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
第1戦から「3番右翼」で2試合連続スタメン起用されるも、9打数1安打の打率.111で併殺プレー3度(併殺打2、三振ゲッツー1)、3三振。近本光司、中野拓夢の1、2番が好調だけに、打線のブレーキになってしまっている。
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内容もよくない。28日の第1戦、1回1死一塁。1ボール2ストライクから一塁走者の中野がスタートしたが、森下は低めの直球を見逃し三振。中野の盗塁死で三振併殺となり、先制機を逃した。岡田監督は「(サインは)盗塁。振らんからや、森下が」と追い込まれた場面でスイングしなかったことを指摘。打線がオリックスのエース、山本由伸から7点を奪って勝ったから事なきを得たが、シリーズの流れを失いかねない初回のワンプレーだった。
第2戦でも森下は空回りした。1回1死一塁では右飛で走者を進めることができず。1点を追う4回無死一塁では遊ゴロ併殺打でチャンスをつぶした。走者を一塁に置いた場面でことごとく凡退し、試合は0-8で大敗。試合後の岡田監督も奮起を促した。
森下はレギュラーシーズンでルーキーながら10本塁打を放ち、勝負強い打撃で優勝に貢献した。一方、調子に波があり、9月29日のDeNA戦(横浜)ではチャンスで凡退し、ベンチで涙を流す感情的な一面もある。日本シリーズのような短期決戦では、意外性のある「シリーズ男」が流れをもってくるケースが往々にしてある。怖いもの知らず、思いきりの良さと爆発力を秘めた森下の日本シリーズ2試合連続フル出場、バントさせない強攻策には、岡田監督の期待と覚悟がにじむ。