中日・高橋周平はまだ終わっていない 天真爛漫に竜の未来を築いていく

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 2022年からは背番号3の大先輩・立浪和義監督が就任。このまま周平がドラゴンズの屋台骨を背負っていくと思われたが、深刻な打撃不振が襲う。気づけば同じ三塁手の石川昂弥がチームの期待を一身に背負うように。周平はというと、ついに昨季はプロ初の本塁打ゼロと崖っぷちに追い込まれていた。

 迎えた2024年シーズン。周平は二軍のキャンプ地・オキハム読谷平和の森球場で汗を流していた。今年で30歳、中堅からベテランの領域に差し掛かっても、誰よりも声を出し、チームメイトを鼓舞。月並みな言い方だが、明るく元気に野球をやるのが周平の野球なのだろう。

 今思えばベンチで多く過ごした22年以降は、言葉を選ばずにいうと「しみったれた」表情をよく見せていた。好きなおもちゃを取り上げられて不貞腐れているような感じか。それを思うとキャンプでの変化は一目瞭然。危機感をエネルギーに変えながら実戦出場を重ね、3月中旬にオープン戦の切符を手にした。

 オープン戦では打率4割近い結果を残し、ライバル・石川昂の不調も相まってつかんだ三塁のポジション。際立った数字こそないものの、開幕戦での2本の適時打や度重なる好守など、チームの8年ぶり単独首位に貢献。全試合フルイニング出場を続けており(※4月12日現在)、不動の存在となっている。そして、本塁へのヘッドスライディングや三塁守備で時折聞こえる大きな声といったところで、明るいムードの醸成に一役買っている。

 高橋周平はまだ終わっていない。天真爛漫に、感情を露わにしながら自らの居場所を確保して、新たな竜の未来を築いていくはずだ。





[文:尾張初]

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