「若手がレベルアップしている」トンプソンルーク氏が語るシックス・ネーションズの魅力とは
今年もラグビー欧州6カ国対抗戦「シックス・ネーションズ」が開催中。
2月2日(日)に行われた注目カード、フランスvsイングランドは昨年のラグビーワールドカップ2019日本大会で台風の影響により中止となった一戦だ。しかし、同大会で準優勝という結果を残したイングランドを、ベスト8に終わったフランスが24-17で破るという波乱の幕開けとなった。
この一戦で、日本代表71キャップを誇りラグビーワールドカップに4回出場したトンプソンルーク氏がゲスト解説を務めた。かつて薫陶を受けたエディー・ジョーンズヘッドコーチ率いるイングランドの敗戦、そして快勝した新生フランスをどのように見たのだろうか。試合後、話を伺った。
(c)WOWOW
──フランスvsイングランドのゲスト解説を終えて、いかがでしたか?
「すごく楽しかった。解説は初めてじゃないけど、僕は日本語が上手じゃないから言葉のミスもあっただろうし、ちょっと恥ずかしかったね(笑)」
──試合を見た感想は。
「とてもおもしろかった。フランスの若い選手がすごくレベルアップしています。イングランドはワールドカップの決勝でも良くないプレーをしていたけど、(フランス戦を見た限り)まだ大丈夫。シックス・ネーションズはこれからおもしろくなるでしょうね」
──勝ったフランスの印象はいかがでしたが?
「フランスは不安定なチームで、パフォーマンスが良いか悪いかのどちらか。試合前はどっちのフランスが出てくるかなと思っていたけど、素晴らしかったですね。完璧じゃないけど、若いSHアントワーヌ・デュポンとSOロマン・ヌタマックがいいゲームコントロールをしました。フォワードもフィジカルが素晴らしく、ディフェンスは規律もよかった。昔、フランスは規律があまりよくなかったけど、いいフランスになりましたね。でも、来週はどうなるのでしょう(笑)」
──ハーフ団の他にも気になった選手はいましたか?
「若い選手がみんな良かった。たとえばNo.8のグレゴリー・アルドリッドの努力は素晴らしかったですね。2トライしたキャプテンのFLシャルル・オリヴォンはラインアウトもよかった。CTBヴィリミ・ヴァカタワはワールドカップの時から良かったですね。ベンチにいた若い2人のPR(ジェファーソン・ポアロ、デンバ・バンバ)もスクラムで活躍しました。次のワールドカップで、ホスト国のフランスはすごくいいチームになるでしょう」
──一方で、優勝候補の一角だったイングランドがいきなり敗れました。
「エディーは残念に思っているでしょうね。来週の練習は厳しくなると思うので、僕なら行きたくないです(笑)。ワールドカップ後最初の試合だったし、選手は残念だったと思いますけど、それでもイングランドはタレントが素晴らしいですね」
──敗れはしたものの、活躍した選手もいました。
「WTBジョニー・メイはよかったです。2本のトライはどちらも素晴らしかった。フォワードはスクラムが強かったですね」
──試合を見てあらためて、シックス・ネーションズはどんな大会だと感じましたか?
「シックス・ネーションズは長い歴史を持つすごい大会。ヨーロッパで一番高いレベルの試合が行われる、選手もファンもおもしろいと思える大会だと思います」
──昨年のワールドカップではアイルランドとスコットランドと対戦しました。この2チームはやはり強かったですか?
「もちろんです。両方ともシックス・ネーションズで戦っているティア1のチームですから。でもジャパンはワールドカップでその両方に勝ちましたから、よかったです。両チームにとってワールドカップの結果は残念だったと思います。だからこそ、両チームともに次のステージはおもしろくなるでしょう」