“投手・大谷”の復帰は「馬鹿馬鹿しいほど遅い」 米専門家が指摘したド軍計画の問題点「本来なら早く終わっているはずだ」

すでにブルペンでの本格的な投球をはじめている大谷。再起に向けた準備は着々と進んでいるように見えるが……。(C)Getty Images
「オオタニから200%の力を引き出せるのか」
二刀流を再開させる道のりは決して平たんではない。現球界で「唯一無二」と言われる挑戦だからこそ、復活の道程も普通とは異なる。
現地時間2月19日、ドジャースの大谷翔平は今春のキャンプで2度目のブルペン入り。セットポジションや、クイックでの投球動作を確認しながら21球。15日のブルペン投球よりも多い球数(14球)を投げ、実戦に向けた感覚を養った。
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投手としての復活に大谷は間違いなく燃えている。プロ入り以来、猛烈な批判を受けながらも何よりも二刀流での挑戦にこだわってきたからこそ、右肘側副靭帯の損傷によって1年を棒に振っても偉才は、淡々とリハビリを続けてきた。
もっとも、大谷は昨年11月に左肩を手術。利き腕ではなかったものの、投手として致命的にもなりえる怪我を負った影響はある。数多の故障者と向き合ってきたプロフェッショナルの目からすれば、「オオタニのリハビリのプロセスはただ遅いのではなく、とんでもなく遅い」という。
ズバッと切り込んだのは、MLB球団に怪我防止対策に関するコンサルティングも行っているウィル・キャロル氏だ。米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』にゲストとして招かれた目利きは、大谷の現況について、「投手としてもだいぶ良さそうには見える」と語った上で、次のように論じている。
「彼のようなことはこれまでになかったことなんだ。でも、オオタニから200%の力を引き出せるのかを考えると、リハビリはただ遅いのではなく、とんでもなく遅いっていうレベルだ。彼に施された補強手術はより早く復帰するためのものだ。だから、もっと早く復帰してもいいはずだ。ヨーロッパのサッカーなんかでは似たような手術から数週間で復帰する選手も見てきた」
他競技のケースを引き合いに出しながらドジャースの対応力を疑問視したキャロル氏は、トミー・ジョン手術の歴史にも切り込む。同手術が世界で初めて執行されたのは、1974年のこと。すでに51年の時が経っているわけだが、その名にある往年の名投手に執刀したフランク・ジョーブ博士の手法は、復帰後のリハビリプロセスに至るまで、根本は変わっていない。