体重超過のフルトンに“温情”か 計量失敗直後の試合階級変更が波紋 異例措置に米記者も嘆き「こんな馬鹿げた話があるか」

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かつて井上尚弥と激闘を演じ、日本でも名が知れたフルトン。彼が犯した失態が波紋を生んだ(C)Getty Images

 異例の事態に騒然となっている。

 現地時間12月5日、ボクシングWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチの前日計量が行われ、王者オシャキー・フォスター(米国)に挑戦するスティーブン・フルトン(米国)が2ポンド(約900グラム)の超過で失敗。これによって試合は、フルトンが勝利しても王座が空位となる変則世界戦として開催されるかと思われたが、急きょ、「WBC世界ライト級暫定王座決定戦」に変更となった。

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 フルトンの“失態”だった。「俺をしっかりと準備さして、自分の道を進んできた」と意気込み、WBC世界フェザー級王者ながら階級を上げて、スーパーフェザー級の王座に殴り込んだ31歳だったが、契約体重である130ポンド(58.96キロ)を大きく超過する形で計量失敗。多くの関係者の失望を買った。

 しかし、驚くべきは急転直下の試合階級の変更だった。1階級のみ上とはいえ、試合前日という日数を含めて異例の決定と言えよう。フォスター陣営が了承したとはいえ、フルトン側への“温情”という見方もできる。

 当然ながらWBCが容認した一連の流れには異論が噴出。米老舗誌『The Ring Magazine』のマイク・コッピンジャー記者は自身のXで「フルトンは2ポンドの計量オーバーで、オシャキ・フォスターの130ポンド級タイトルに挑戦する資格を失ったんだよね? それなのに今、WBCが暫定ライト級タイトルマッチを正式に承認したのか」と指摘。そして「こんなことが平気で起きているのに、ボクシング関係者たちが、新たなシステムが必要なのかを本気で疑問に思っているなんて、信じられない」と糾弾した。

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