“2番打者最強説”を数字で証明!? 大谷翔平らの活躍で生まれた常識の変化「長らく犠打のために無駄にされてきた」
規格外の活躍を見せつけてきた大谷。彼が最も起用されているのも2番だ。(C)Getty Images
近年の野球界においてトレンドと化しているのが「2番打者の最強論」だ。
とりわけメジャーリーグにおいて定着している起用法だ。日本球界では一発の可能性を秘めた長距離打者を4番に据えるチームが多いが、米球界ではより得点効率を活かすために、2番に据えられる。
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NPBでも採用する監督が出始めている「2番打者の最強論」だが、いまだ4番を打線のカギとする人は少なくなく、日本では賛否両論があるのも事実だ。そうしたなかで“野球の本場”で当たり前となっている同理論の効率性が証明された。
現地9月7日、MLB公式サイトが特集記事を掲載。2023年シーズンが、いわゆる近代野球が始まったとされる1920年以降初めて、「2番打者」が最高のOPSを弾き出したと報じた。
メジャーでも2、30年前までは、2番打者はバットコントロールに優れ、出塁率も高い、ユーティリティーを置くのが定石だった。実際、1993年から2012年の間にかけて2番打者のOPSは全打者の平均より1%も低く。3番打者は26%、4番打者は25%とそれぞれ高いアベレージを記録している。つまり打線の肝となるのは、日本球界でも定着している「3、4番」だったわけである。
しかし、ここ10年で考え方が大きく変化した。2014年シーズンには2番で起用されたマイク・トラウト(エンゼルス)が36本塁打、111打点、115得点の大活躍。満票でMVPを受賞した。ちなみにこの年のエンゼルスの得点数は30球団でダントツトップの773だった。