【独占】鈴木尚広、現役引退から巨人コーチ就任までの「あえての2年」
原監督の巨人軍新体制において、外野守備走塁コーチの就任が決定した「代走のスペシャリスト」鈴木尚広さん。入閣決定直前に独占インタビューを行った。
巨人一筋約20年。「足の神」と称賛されながら、2016年に惜しまれつつも現役を引退。引退後は野球解説や講演会、イベント参加など各方面で活躍してきた。球団やファンから現役続行、コーチ就任を望まれながらも、一線から退くという結論を出した鈴木尚広さんに、その真意を聞いた。
一回リセットして、教えるにはどうしたらいいのかを考える
「(2年前に)辞めた後は、『寂しい』とか、『もっとやりたかった』とか、『ホッとした』とか、そういう感情はなかったです。『野球選手でよかったな』くらいの感じで、感情を揺さぶられたことはないですね。僕は自分なりに、誰もできないことをやり続けてきたという自負はあったので、『未練』とか『断ち切る』という言葉はなかったです。単に『終わり』というだけ。終わって、次の未来に向けて動こう、新しい自分を探しに行こうという気持ちでした。」
「僕は現役を退く際に、『自分は選手じゃない』という思いを明確にしたかった。選手からすぐにコーチ陣に上がっちゃうと、選手のままコーチになりがちなんですよ。自分の中で一回リセットして、教えるにはどうしたらいいのかということを考えてやらないと、自分の主観が出てしまう。自分がやってきたことが正解とは限らない、他の人には違うかもしれないので。だから僕はまだ狭いなと思って、いろんな人に会いたいと思いました。」