【独占】鈴木尚広、現役引退から巨人コーチ就任までの「あえての2年」

タグ: , , 2018/10/23

プロ野球は狭い世界。新しい世界との出会いが新たな視点を生む

「それから色々とやってみて、野球やっている以上に人生観変わりましたね。野球という勝負の世界にいないというのもありますけど、穏やかになりました。『こうじゃないといけない』というのも変わってきました。」

「引退してから、メンタルトレーニングの勉強もしました。知識は大事ですからね。でも、それを使うのは対人であって、もちろん引き出しとして大切なのですが、知識だけ習得しても自分が成長したわけではないんです。だから、いろいろなところで人や場面に出会うチャンスを見つけるようにしてきました。」

「新しい自分の世界というか、今まで何十年もプロ野球の世界にいたわけですから、ある種自分の中で物事の柔軟性がなかったと思います。プロ野球って華やかで大きそうに見えて、実はごく一部の狭い世界ですからね。その世界から他の世界にも行ってみたら、いかに自分が凝り固まったモノの見方をしていたのかわかりました。」

「この2年間で色々なものを見させてもらって、いろんな人に出会って、いろんな仕事をして、物事の視点がすごく増えたと思います。ということは、その人の立場になって物事を見られるようになってきたという事。野球選手は自分の立場が大事だから、自分を見るということが大事ですけど、そうではなくて色々な視点から見るということです。視点の数や幅を広げたかったので、休みなく、常に動いてきました。働き続けたとは思っていないですけど、動いた先にそういうものが待っていると思って、そこに何かを求めて常に行動してきましたね。」

「ただ、何でもやってきたかというと、そこまではできなくて…やっぱり、自分の軸にないものはやらないです。自分がやりたいこと、目指したいことしかやってこなかったのですが、結局はそう言ったものの中に野球の仕事が必ず入ってくるんですよね。」

「例えば解説となると、選手の時は自分自身だけにフォーカスしていましたが、色々なところをフォーカスしないといけない。チームやベンチ、見る角度が全然違う。そうすると、自分の野球の幅がもうちょっと広がりましたね。次の展開を予想したり、結果としてなぜそうなったのかとか、聞いてくれる方にとってもわかりやすく、かつ深く話さないといけない。自分主観じゃなく、どうやったら自分が培ってきたものを最大限に伝えていけるのか、すごく勉強になりました。解説や講演会など、色々な世界を経験したことで、伝えることの大変さがわかり、伝える力も身に付いてきたと思います。」

引退後に、「外から勉強していつかコーチとして恩返しをしたい」と語っていた鈴木尚広さん。新しい世界に飛び込み、様々な感覚と視点を増やした充実の2年を過ごし、今思うプロ野球論、指導論とは……。

(続く)

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

鈴木 尚広(すずき・たかひろ)

1978年4月27日、福島県相馬市生まれの40歳。相馬高から96年ドラフト4位で巨人入団。俊足好打でチームに貢献し、16年に現役引退した。代走で132盗塁は日本記録。盗塁成功率は.829で200盗塁以上の選手では最も高い。通算1130試合出場で打率.265、10本塁打、75打点。身長180センチ、体重78キロ。右投両打。
公式サイト https://suzukitakahiro.com/

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