スランプ吹き飛ぶ、長打率8割超え! 佐藤輝明に漂う岡田監督が求めた「強打者の理想」の姿【阪神】
ここに来て数字を大幅に上げている佐藤。キャリアハイの更新も見えてきている。(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
虎の大砲が、開化の時を迎えているのかもしれない。阪神の佐藤輝明だ。
9月16日に敵地で行われた広島戦で「5番・ライト」で先発出場を果たした佐藤は、5打数4安打3打点と活躍。まさに打ち出の小槌のようにヒットを重ねた。とりわけ得点圏で勝負強さを発揮し、初回と5回には、いずれも得点が欲しい局面で鮮やかなタイムリーを記録した。
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岡田彰布監督が「勝負」と口を酸っぱくして語ってきた9月。そんな勝負の時を迎え、佐藤の勢いは止まらない。今月に入ってからは打率.408、5本塁打、長打率.816、OPS1.279と軒並みハイアベレージを叩き出している。また、かねてから彼の課題であった三振の多さも14と減少傾向にあり、必然的に出塁率(.463)の向上に繋がっている。
今季は春先から深刻なスランプに悩まされた。開幕から75打席ノーアーチというスタートを切った24歳は、その後も思うような打撃を披露できず。2シーズンぶりの二軍降格を命じられもした6月には打率.179、1本塁打と低迷。続く7月も.191、3本塁打と状態は上がりきらないまま。強く振ろうとすればボール球に手を出してしまい、逆にコンパクトに当てに行こうとして打ち上げてしまうような打席が続く悪循環に陥り、打席内で首を傾げる姿が目に付いた。
それでも指揮官は6月25日に二軍降格を命じて再調整をさせた時間以外は、佐藤を使い続けた。そこにはおそらく、かつて阪神の主軸を担った自身の「強打者としての理想」があった。