『50点』の低評価覆した!阪神18年ぶり優勝をもたらした「ドラフト改革」とは
しかし、その後の大山の活躍によって、数年後の4番打者にするという球団の方針は正解であることが実証されます。「名より実」を取った指名だったのです。
今では球界を代表するリードオフマンである近本の指名時にも、「外野」は不満を表明したものでした。2018年ドラフト。阪神は1位で大阪桐蔭高を全国制覇に導いたスター・藤原恭大を指名しますが、3球団による抽選の結果、敗退。ならばと外れ1位で立命館大の辰己涼介を指名しますが、こちらも4球団競合の結果、敗退。「外れ外れ1位」で指名したのが大阪ガスの近本だったのです。
「当時の野球専門誌は阪神の指名を『50点』と低評価しています。指名した選手が全体的に小粒に映ったのがマイナス要因と書かれていますが、その後の近本の活躍は言うまでもなく、3位でHondaの木浪、6位でBC富山の湯浅京己を獲得し、主力に育て上げています。ドラフトでは甲子園や神宮のスター、ビッグネームを指名しておけばメディアは評価してくれる。でもそんなことは関係なく、社会人や独立リーグの優れた選手を指名して、戦力に育て上げた。このようなブレない方針こそ、18年ぶりのVにつながったスカウトの功績だと思います」(前述の記者)
FAでの乱獲は過去の話。球界の未来を担う金の卵をしっかり見極める眼力、そして地道に育て上げる育成力-。常勝軍団の建設に近道はないことを、今回の阪神の栄冠は教えてくれるのです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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