平石監督、嶋基宏の退団から考える「東北の宝物」と新規参入からの15年
改めて振り返る楽天の新規参入からの15年間の歩み
38勝97敗1分け-。新規参入1年目の成績です。千葉マリンで行われた開幕第2戦ではロッテに0-26で大敗した。しかし、06年に就任した野村克也監督のもと、チームは温かい声援をバックに少しずつ力をつけ、同年秋の高校生ドラフトでは4球団競合の末、駒大苫小牧の田中将大投手が入団。希望の星として、みちのくを明るく輝かせていきます。
創設5年目の09年には初のAクラスとなる2位に躍進し、悲願のCS出場を果たしました。助っ人リンデンの反逆など幾多のズンドコ騒動に見舞われながらも、チームはCSファーストステージを勝ち抜き、勢いのままに日本シリーズ出場へと突き進みます。そんな中、日本ハムとのCS最終ステージ初戦で、福盛がスレッジに逆転サヨナラ満塁ホームランを被弾してしまう。ああ…。
11年。星野仙一監督の就任1年目、開幕を目前に起きた「3・11」。試練を乗り越え、楽天は強くなりました。13年には初のリーグ優勝を達成すると、日本シリーズでは巨人を倒して日本一に。あの興奮がどれほどの感動をみちのくにもたらしたことでしょうか。
そう。チーム状況がいい時も悪い時も、平石洋介は仙台にいました。大粒の汗を流し、声を出して、ナインを鼓舞していたのです。そんな男が不本意な形でイーグルスを去る。チームは生き物だから、やむを得ないのかもしれませんが、やりきれなさも残ります。