平石監督、嶋基宏の退団から考える「東北の宝物」と新規参入からの15年
見せましょう、野球の底力を
さらにはもう一人、チームの象徴的存在が仙台を去ります。06年の大学・社会人ドラフト3巡目で国学院大から入団して以来、絶大なキャプテンシーでチームを牽引した嶋基宏です。
13年間にわたって扇の要に君臨し、杜の都を熱くした。しかし、無情にも歳月は流れます。腰痛の悪化に、若手の台頭-。「大事なCSで上に呼ばれていないということは、戦力として見られていないということ」と自らの立場を察して、新たな旅に出ることを決断しました。
それでも仙台のファンは一生忘れないでしょう。
震災の悲しみが街を覆っていたあの年の4月2日、彼の口から放たれたスピーチを。
見せましょう、野球の底力を。
見せましょう、野球選手の底力を。
見せましょう、野球ファンの底力を。
共に頑張ろう、東北。
支え合おう、日本。
プロ野球は「勝てば官軍」のシビアな世界。今回の石井GMによる人事は、もしかしたら来季、楽天に躍進をもたらすかもしれません。しかし、勝敗を超えた「情」の部分に人々は惹かれるからこそ、ファンはチケットを買い、スタジアムに足を運び、のどを枯らして声援を送るのもまた事実です。
「平石退任」「嶋退団」が正解だったのか否かは、来秋、分かることでしょう。
しかし今、これだけは言えます。
二人のいない楽天イーグルスは、あまりにも寂しすぎると。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]