【宮本恒靖インタビュー】イニエスタやF・トーレスなど日本でビッグネームがプレーするのは、Jリーグ全体にも知見を与える
宮本恒靖にとって、この一年は変化の年となった。今夏J2への降格圏に沈んでいたガンバ大阪の監督にシーズン途中で就任。就任後の数試合は終盤で失点することが多く、なかなか波に乗ることができなかったが、日本代表の活動期間にまとまったトレーニングができたことで9月から11月はクラブタイの9連勝を果たすなどチームの立て直しに成功。見事J1残留を果たし、短期間で監督として優れた手腕を発揮した。WOWOWで中継するリーガ・エスパニョーラの解説者として久々に出演した彼が、自身の一年、そして日本のサッカーシーン振り返る。
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「他から学ぶ」ことは間違いなく大事
——久々の試合解説となりました。トップチームの監督に就任し、以前と立場が変わりましたが、試合の見え方に変化はありましたか?
宮本恒靖「ガンバのユースやU23で監督をしていた経験もあったので、そこまで変化を感じることはありませんでした。それでも、やはりトップチームの監督を務めることで、チーム内のマネジメントなどをはじめ、色々と見えてくることはありましたね」
——リーガの解説をしていたことによって、監督業に活かせたことや、自分自身にとって成長になった部分はありますか?
宮本「現役引退後すぐに解説に関わらせていただき、たくさんの試合を観て、様々な監督のやり方を学ぶことができました。スペインに行った際にはアトレティコ・マドリードのトレーニングや試合、バレンシアのヌーノ・エスピリート・サント監督のトレーニングも近くで見ることができました。リーガを見てきて、たくさんのものを自分の中に吸収できたと思っています」
——現在、気になる監督はいますか?
宮本「リーガはもちろん、プレミアリーグにもいますね。SSCナポリ、チェルシーを率いたマウリシオ・サッリ監督やアントニオ・コンテ監督も気になります。コンテ監督に関しては、クラブ関係者の方に話を聞くと、『あの監督は本当に要求が多い』などといった言葉も耳にします。ピッチで見せているものと、普段見せているものはやはり違いますからね。試合ももちろん大事ですが、もう少し監督としての普段の様子も知りたいなという気持ちがあります」
——現役引退後、コーチ経験などが短いうちに、比較的早く監督に就任して結果を残す監督が増えてきました。そういった流れについてはどのようにお考えですか?
宮本「自分自身、選手としてプレーしていたことも、アシスタントコーチという経験があったことも、現在の監督という立場になって改めて、その経験が活かされていると実感しています。人生には様々な道があると思いますし、個人として監督になった今でもたくさんのことを学ぶ必要があります。色々なところにヒントがあるので、とにかく言えるのは『他者から学ぶ』ことは間違いなく大事だということだと思いますね」