「UFCヘビー級は怪獣映画を超えている!」玉袋筋太郎が数々の名勝負映像に悶絶
UFCのスーパースターたちの過去の名勝負をまとめたWOWOWの特別企画『UFC 甦る名勝負選!』。ブロック・レスナー、ミルコ・クロコップから、現王者スティーペ・ミオシッチまで、UFCヘビー級の名勝負の数々が放送される。ゲストとして出演した浅草キッドの玉袋筋太郎が、UFCとヘビー級の魅力について語った。
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――今、『UFC 甦る名勝負選!』ヘビー級特集の収録が終わったばかりですが、いかがでしたか?
「いや~、すごかった!これこそ『キング・オブ・モンスターズ』であり、『怪獣総進撃』だったよ。しかもUFCヘビー級は、特撮もCGも使わない生身であの迫力だから。怪獣映画を超えてるよね。」
——次から次へと、新たなモンスターが現れています。
「だからUFCヘビー級王者は、初代王者のマーク・コールマンから、今、第21代王者のスティーペ・ミオシッチまでいるわけだけど、その防衛回数は、ミオシッチの3回防衛が最高記録というところがすごい。怪獣映画の世界では、ゴジラがずっと王者だけど、UFCヘビー級はもっと弱肉強食で群雄割拠な世界ってことだよね。モンスターの政権交代が次々と行われてきたわけだから。そういうすげえ世界が見れてよかったよ。」
――2000年代後半に、PRIDEのトップファイターが次々とUFCに出てきたときなんか、その弱肉強食ぶりが顕著でした。
「そうそう。俺なんか『やっぱりPRIDEファイターが最強だろ』って思っていたところに、ミルコ・クロコップやアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラが負けていった、あのショックといったらなかったよ。ただ、そういった結末の残酷さ、勝負の厳しさ、それがまたたまらなく面白くて、UFCにますますハマっていくわけですよ。」
――最強の打撃を持ったミルコがKO負けして、柔術マジシャンと呼ばれたノゲイラが一本負けを喫するという……。
「ミルコがナパオン・ゴンザガにハイキックで負ける姿なんて見せられた日にゃ、どうするんだってことですよ。あれは俺たちPRIDEを見てたファンにとって、終戦記念日だったよ。」
——あの日からPRIDEからUFCへ、時代が完全に移ったというか。
「うん、ひっくり返ったね。俺たちの場合、髙田延彦さんがヒクソン・グレイシーに負けたとき、最初の終戦記念日を迎えてるんだけど、その後、日本の格闘技は桜庭和志選手の活躍なんかもあって繁栄を築くわけですよ。それが2度目の終戦を迎えた感じかな。ただ、それによって、総合格闘技が本当の意味で世界のものになった気がするな。」
WOWOW
——世界には、まだまだ強い男たちがいる、という。
「今回の放送ではファブリシオ・ヴェウドゥムも出てきたけど、あの選手も他団体であのPRIDEヘビー級王者だったエメリヤーエンコ・ヒョードルを初めて破ってるわけだからね。『皇帝』が崩御してるわけだから。で、そのヒョードル首を手土産にファブリシオはUFCに復帰して、ケイン・べラスケスをタップアウトさせて、UFCでもチャンピオンになるというね。しかも、ファブリシオはもともとミルコの柔術コーチだったりとかさ。物語が幾重にも重なってるんだよ。そういった歴史を感じられるのもたまらないね。」
――今回の番組では、いろんな怪物たちが出てきましたが、一番印象に残った選手は誰ですか?
「みんなすげえけど、やっぱりインパクトでいえば、ブロック・レスナーだろうな。アメリカのプロレス界のトップがUFCに出てくるって面白さがあるしさ。俺たちが以前、夢中になって観ていたPRIDEのヘビー級も藤田和之選手、小川直也選手とかプロレスラーが挑んでいったけど、それがスケールアップしてUFCで行われてるっていうのがいいよ。しかも、WWEっていう世界最大のプロレス団体のチャンピオンが、UFCという総合格闘技の最高峰に出ていって、チャンピオンになってしまうというね。あの金網のオクタゴンに入ろうと決心した、レスナーの腹が据わり方も素晴らしい!」
——PRIDE以上にMMAが進化したところにプロレスラーが出ていったという。
「そうなんですよ。PRIDEでも後期はプロレスラーが勝てなくなって、『もう完全に別物だな』と思ったところで、エンターテインメントを標榜するWWEから、レスナーという一番大きな波が来た、というね。そういう非現実的な世界が見られるのもUFCヘビー級の魅力なんじゃないかな。」