髙阪剛『UFC238』の展望を語る「階級離れしたフィジカルを『持つ者』と『持たざる者』の攻防戦になる」
「攻略には形の維持と打撃対策が必須」
ヴァレンティーナ・シェフチェンコ 写真:Getty Images
――セミファイナルは、シェフチェンコがジェシカ・アイ相手に女子フライ級王座防衛戦を行います。この一戦はどう見ていますか?
「シェフチェンコもまた、この階級ではフィジカルが飛び抜けています。前回、元ストロー級王者のヨアナ・イェンジェイチックとの試合でも、テイクダウンもタックル云々ではなく、組んで持ち上げてのスープレックスで投げていますから。シェフチェンコはアマンダ・ヌネスと一階級上のバンタム級タイトル戦をやったことがありますが、フィジカルに関しては互角でしたからね。シェフチェンコもまた、セフードのように、同級選手たちから『来るんじゃないよ』って、嫌がられているかもしれない(笑)。」
――しかも打撃に関しては女子全階級でもトップクラスですし、キックボクシングで世界タイトルをいくつも獲得しています。
「あの打撃技術は相手選手にとっては脅威ですよ。相手のローキックなんかも上半身を動かさずに脚だけでさばいて、目線を外さずに打撃が打ち返せる。結局、それが相手にとってはすごくプレッシャーになるし、怖いんです。かつ、要所要所でいろんなコンビネーションを出してくるので、相手からすると、嫌なところを全部突かれてしまう。そうやって相手の形を崩すのがうまいんです。『いつもだったらこう動くのに』ということをできなくさせる、そういうタイプの強さですね。」
――対するジェシカ・アイはバンタム級では連敗していたのが、フライ級転向後は無傷の3連勝と、こちらも覚醒した感があります。
「ジェシカ・アイの方もハマればかなりの強さを発揮すると思います。打撃の打ち方が綺麗で、自分の設定距離にスパンとハマれば、相手にかなりダメージを与える打撃ができますからね。ただ、シェフチェンコは手数が多くないけれども、相手の打撃をブロックしてから返しの打撃が強いので、ジェシカがその対策をどう練っているのかが、ひとつのポイントになるはず。そこで自分の形がキープできれば、必ずチャンスはくると思いますが……それがなかなか一筋縄ではいかない(苦笑)。だから今回のダブルタイトルマッチは、どちらも同じようなことが言えると思うんです。モラエスとジェシカ・アイが、軽い階級とは思えないフィジカルの強さを持つ相手をどう攻略するか、そこがポイントですね。」
ジェシカ・アイ 写真:Getty Images
[取材/文・堀江ガンツ]
◆◆WOWOW『UFC-究極格闘技-』放送スケジュール◆◆◆
★『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC238 in シカゴ 豪華ダブルタイトルマッチ!セフード2階級制覇なるか!?』
6/9(日)午前11:00[WOWOWプライム]生中継
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)
6/11(火)よる9:00[WOWOWライブ]リピート
(WOWOWメンバーズオンデマンドにて同時配信)
【対戦カード】
・バンタム級王座決定戦/ヘンリー・セフード vs マルロン・モラエス
・女子フライ級タイトルマッチ/ヴァレンティーナ・シェフチェンコ vs ジェシカ・アイ
【出演】
解説:髙阪剛、堀江ガンツ
実況:髙柳謙一
進行:福長英未
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