髙阪剛『UFC243』の展望を語る「MMAミドル級の真の王者はどっちだ!?」

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 日本時間の10月6日、オーストラリア・メルボルンのマーベル・スタジアムで『UFC243』が開催される。

(写真左より)ロバート・ウィテカー、イズラエル・アデサニヤ 写真:Getty Images

メインカードは、正規王者ロバート・ウィテカーが暫定王者イズラエル・アデサニヤと対戦するUFCミドル級王座統一戦。6年間負けなしのウィテカーと、MMA17戦全勝のアデサニヤ。ミドル級の真の王者は果たしてどちらなのか?

この一戦の見どころを、「世界のTK」髙阪剛に語ってもらった。

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――「UFC243」ではウィテカーvsアデサニヤのミドル級王座統一戦がついに実現します。
「いや、こうれはもう『どうなるんだろう?』と。ある意味、解説者泣かせの試合です(笑)」

――それだけ、どちらが勝つのか展開を予想するのが難しい、と。
「両選手ともに、対戦相手にとっては対策が難しい選手なんですよ。まずウィテカーの方は、基本、打たれ強くてスタミナがある、ものすごくタフな選手なんですよね。たとえダウンを食らっても、その後、何もなかったかのように強い攻撃を仕掛けてくる。だから相手からすると、『こいつを仕留めるには、どうしたらいいだ?』っていう感じになるんですよ」

——「不死身か!」という感じになると。仕留めたはずなのに、仕留められていないというのは、相手にとっては精神的なダメージも大きいですね。
「そうなんです。かなりガックリくるはずなんです。だからウィテカーというのは、技術レベルが高いのはもちろんなんですけど、一番の強みは、身体と気持ちの強さ。そこを崩すことができないから、みんな最終的に負けているんですよね。例えばウィテカーは前回、ヨエル・ロメロと対戦したとき(18年6月9日『UFC225』)も、ロメロの強打をあれだけもらって、2度もダウンを喫しているのに、それでも立ち上がって普通に攻撃を仕掛けている。しかも気持ちも萎えることがないから、相手にしてみたら『どうやって勝てばいいんだ?』ってなるんですよね」

写真:Getty Images

――ミドル級最大の破壊力を持つロメロの強打を受けても、なお立ち向かってくると。
「ウィテカーは基本、遠い間合いから一気に距離を詰めて打撃を入れるタイプなんですけど、攻撃し終わったあと顔がガラ空きで、これは『殴ってくれ』と言っているようなもの。でも、本人は自分が打たれ強くて、スタミナも充分なことがわかっているから、きれいな形よりも、自分が動きやすい形を優先させて、ああいう構えや、動き方になったと思うんです」

――打たれ強いからこそ、隙を作ってでも自分が最も強い打撃を仕掛けられる態勢に常にいられるわけですか。
「一方、アデサニヤの特長は、身体の軸がブレない、崩れないところにあります。例えば攻撃の時、蹴りを出して、パンチを出して、また今度はヒザ蹴りを出してというような、いろんな動きをしても、アデサニヤの頭の位置がほとんど変わらない。だから、どんな位置からも強い打撃が打てるし、そこからフェイントを駆使したりすると、相手は何が出てくるのか、だんだんわからなくなってくるんです」

――普通なら軸が崩れそうなところでも崩れないから、本来は来ないような打撃もくるという。
「なおかつハンドスピードが早いので、もらってしまうんですよ。あとは軸がブレないので、相手が組みついてきたところをいなして、すぐパンチを打つだとか、そういったことがすごく早くできるんですね。そうやって効果的な打撃を積み重ねながら、おそらくアデサニヤの中にある勝ちパターンに最終的に持っていっているんです。だから、対戦相手にとっては『何をしてくるんだ?』という感覚があると思うのですが、アデサニヤ本人からしたら、奇をてらった攻撃をしているわけではなく、ものすごくきれいに試合をやっているつもりだと思うんです」

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