堀口恭司の同僚マスヴィダルがウスマンと再戦「どっちのペースで試合が動いていくかが大きなポイント」髙阪剛が『UFC261』の見どころを語る

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ホルヘ・マスヴィダル/Getty Images

――ただ、マスヴィダルのボクシング技術もかなりのものです。
「そうですね。しかもジャブの刺し方やタイミングもすごくうまいんですよ。同じジャブでも二人の違うところは、ウスマンは自分のタイミングで打つんですけど、マスヴィダルはカウンターでジャブを当てていることが多い。だから異なるジャブの応酬も起こり得ると思いますね。」

——あと、マスヴィダルは、いま最も勢いのあるアメリカン・トップチームのトップ選手です。前回のウスマン戦では、名伯楽のマイク・ブラウンがコロナの陽性反応が出たことで、セコンドに就けなかったというマイナス要因もありました。
「だから今回は、何を授かってきたかでしょうね。ATTの選手は、このところカーフキックで結果を出していますけど、マスヴィダルも以前から低いローキックを効果的に使っていたんですよ。だから足技が、ひとつの突破口になるかもしれない。」

――とくにウスマンンのようなボクサー・レスラータイプの前脚を潰すにはカーフキックは有効です。
「仮に3~4ラウンドまで、マスヴィダルがカーフなりローキックなりでウスマンの脚を潰して、さらにジャブを刺してということができれば、さすがのウスマンも崩れていくかもしれない。ただ、それは大前提として、マスヴィダルが自分のピッチの速いペースでやれたらという話で、一度か二度ウスマンのペースでスローダウンさせられたら、なかなか元のペースに戻すのは大変だと思うんです。なので、この試合に関しては、どっちのペースで試合が動いていくかが大きなポイントになると思いますね。」

――では、マスヴィダルがいかにして自分の速いペースで試合を展開していけるかどうかが、まず見どころとなる、と。
「そう思います。それによって、鉄壁のウスマンを崩すことができるかどうか。今のウスマンは本当に強いですから。『盤石』という言葉はウスマンのためにあるんじゃないか、というくらいにね。もし、それをマスヴィダルが打ち崩すことができたら、またMMAという競技の進化に寄与するんじゃないかと思いますね。」

ヴァレンティーナ・シェフチェンコ/Getty Images

――『UFC261』では、女子フライ級と女子ストロー級のタイトルマッチも組まれています。この2試合のポイントも教えていただけますか?
「まず、ヴァレンティーナ・シェフチェンコvsジェシカ・アンドラージの女子フライ級タイトルマッチは、典型的な『技vs力』の戦いですよね。王者シェフチェンコは、もともとキックボクシングの世界王者で、テイクダウンや寝技もトータルで高いレベルにあるオールラウンダー。対するアンドラージは女子で随一のパワーの持ち主で、フライ級に上げてから、フィジカルがより増している感じがするんですよね。」

――前回、タイトル戦経験者のケイトリン・チョケイジアンをパワフルな打撃で圧倒しました。
「チョケイジアンをKOしたボディブローなんか、腰が入ってフィジカルで撃ち抜いているので、相当な威力だと思いますよ。だから、シェフチェンコがどう技術を使って、あのパンチをもらわないようにするかがポイントでしょう。アンドラージのほうは、いずれにしても突っ込んでいくと思うので、いかに強い打撃が当てられるか。全局面で完成されつつあるシェフチェンコを破るには、アンドラージのパワーのような、飛び抜けたものが必要じゃないかと思います。」

ジャン・ウェイリー/Getty Images

——ジャン・ウェイリーvsローズ・ナマユナスの女子ストロー級タイトルマッチはいかがでしょうか。
「技術面ではどっこいかもしれないんですけど、動き方に両者の特徴があって。ウェイリーは打撃にしてもテイクダウンにしても、前に出ながら取りにいくタイプですけど、ナマユナスはサイドステップですよね。相手の力をいなしながら、隙が生まれたところにタックルに入ったりとか、動きの質がちょっと違うので。同じ打撃の打ち合いをするにしても、ナマユナスはズラしながらやると思うんですよね。そういう動きをやられたとき、ウェイリーが対応できるかどうかがひとつのポイントになると思いますね。」

——打撃のKOパワーでは、やはりウェイリーの方が上ですか?
「やっぱり縦のプレッシャーなんで、圧力がウェイリーの方が上だなと思いますが、寝技も含めた総合的な試合ではナマユナスかなと。」

——もともと一本勝ちが多いグラップラーでした。
「元ストロー級王者のヨアナ・イェンジェイチックに打撃で打ち勝つ姿なんか、昔のナマユナスからすると考えられませんでしたからね。それだけ成長しているということでしょう。逆にストライカーのウェイリーが、寝技も含めてどこまで成長しているのか、そこも見ものだと思いますね。だから王者ウェイリーの総合力が問われる試合になるんじゃないかと思います。」





[取材/文・堀江ガンツ、写真・Getty Images]

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『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC261 in フロリダ ウスマンvsマスヴィダル再戦!豪華トリプルタイトルマッチ』

4/25(日)午前11:00[WOWOWライブ]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

4/30(金)午後5:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)

【対戦カード】
・ウェルター級タイトルマッチ/カマル・ウスマン vs ホルヘ・マスヴィダル
・女子フライ級タイトルマッチ/ヴァレンティーナ・シェフチェンコ vs ジェシカ・アンドラージ
・女子ストロー級タイトルマッチ/ジャン・ウェイリー vs ローズ・ナマユナス
・ミドル級/ユライア・ホール vs クリス・ワイドマン

【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一

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【出演】
世界のTK/髙阪剛
格闘ライター/堀江ガンツ
名実況/髙柳謙一
謎の同時通訳/MIZUKA(天の声)
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「諦めなければ立ち上がることができる」、グレイシー一族と死闘を繰り広げた元ファイターが堀口vs朝倉戦に感無量 https://cocokara-next.com/athlete_celeb/shungooyama-rizin26-summary/



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