防衛戦&ダイレクトリマッチのWタイトルマッチ 髙阪剛が『UFC263』の見どころを語る
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――もう1試合、デイブソン・フィゲイレードvsブランドン・モレノのフライ級タイトルマッチ。こちらは昨年12月の『UFC256』で引き分けを受けてのダイレクトリマッチになりますが、どう見ていますか?
「前回はフィゲイレードが、試合前夜に胃の感染症で病院に運ばれるなど完全な状態でなかったと言ってましたよね。そのエクスキューズありきで試合を見直すと、たしかに3ラウンド目から動きがにぶくなっていた。それが、体調不良によりパフォーマンスに影響が出たことでの失速であったのなら、今回は全然違った試合になるでしょうね。」
――具体的にはどう変わってきそうですか?
「体調不良がそこまで影響しなかったと仮定すると、モレノの勝機はやはり、テイクダウンからのグラウンドですよね。モレノは打撃も強いですけど、寝かせてからのコントロールが、いちばん心地いい状態だと思うんですよ。それに対しフィゲイレードの寝技は、トップコントロールというより、いろいろ仕掛けて、最終的に自分がいい形になるというもの。同じように寝技をやっているように見えて、両者はグラウンドの質が違うんですよね。」
――フィゲイレードはアタックする寝技で、モレノはコントロールする寝技。
「動けば動くほど、グラウンドはフィゲイレードの方が有利になるんですよ。だからモレノはフィゲイレードの仕掛けに付き合わず、一個一個の動きを潰してコントロールして、削っていくという戦い方になると思いますね。」
――そうして体力を削れば、スタンドに戻った場合も、フィゲイレードの猛攻が弱まるという。
「そうです。また打撃に関しても、フィゲイレードはプレッシャーをかけていって、相手が手を出してきたところでカウンターを当てるのがうまいし、強いんですよ。あとはボディを強く打って、相手の足を止めて、距離を詰めて顔面を打ちにいくとか。接近戦での打ち合いに強い。だからモレノも長いリーチをのばしていくストレートとかいいものを持っているんですけど、打ち合いになったら分が悪いので、そこに付き合わないことも大事になると思います。」
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――グラウンドでもスタンドでもやり合ったら、モレノは厳しくなるわけですね。
「打ち合いになりそうなところで離れて、空振りさせたりとか。グラウンドでも、フィゲイレードが切り替えそうとしてきたら、スタンドに戻るとか。そうやって気勢を削いでいくのも大事になってくるんじゃないかと思うんですよね。」
――打っても響かない感じでイラつかせて、徐々にスタンド、グラウンドの両面で削っていけば勝機も見えてくると。
「そうですね。根本的なところで、フィゲイレードはものすごく強いし能力が高い選手。フィジカル、テクニック、スピード、すべてのレベルが高くて気持ちも強いチャンピオンだからこそ、それを空回りさせる必要がある。だからこの試合は、体調万全で出てくるであろうフィゲイレードの力を、モレノがどう封じるかがポイントになると思いますね。」
(取材/文・堀江ガンツ)
◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC263 in アリゾナ ダブルタイトルマッチ!ミドル級アデサニヤ&フライ級再戦』
6/13(日)午前11:00[WOWOWプライム]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
6/15(火)よる10:45[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【対戦カード】
ミドル級タイトルマッチ/イズラエル・アデサニヤ vs マーヴィン・ヴェットーリ
フライ級タイトルマッチ/デイブソン・フィゲイレード vs ブランドン・モレノ
ウェルター級/レオン・エドワーズ vs ネート・ディアス
【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:高柳謙一
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