【UFC278】 負けない者同士の再戦!世界のTK「今のウスマンは第4形態ぐらいまで進化している“シン・ウスマン”」
レオン・エドワーズ/Getty Images
――対する挑戦者のエドワーズはどうでしょうか。
「最初に言ったとおり、エドワーズは2015年のウスマン戦の段階で洗練されたMMAができていて、なんでもできる選手だったと思うんですよ。それがここ7年近くの間でさらに磨かれていき、いわゆるファイトIQが高い選手ですから、適切な武器を適切な場面で使うことができる。その取捨選択がさらにしっかりとできるようになったことで、逆に今のほうが昔より出す技や動きが少なくなってるんです」
――つまり無駄な動きをしなくなった、と。
「そういうことですね。だから見方によっては地味に見える場合がありますけど、よく見てみると高い確率で相手にダメージを与えるか、プレッシャーを与える動きになっている。また、組みの状態から離れ際に出す左のヒジを非常に効果的に使っているので、際の攻防にも強い。そうやってしっかりポイントを押さえて、試合を支配していってますね」
――では、両者ともに隙がない者同士の対戦になるわけですね。
「そうなんですけど、試合の最初の段階でより隙がないのはウスマンの方ですね。それぐらい、今のウスマンのスタンドでの距離設定やジャブ、ストレートの正確さというのは完璧に近いものがある。だからエドワーズのほうも打撃vs打撃でがっちりやろうとすると、どうしてもウスマンの距離で戦うことになり、なかなか自分の打撃を当てるのが難しいという感覚があると思います」
――そうなると、エドワーズはどんな戦い方が考えられますか?
「エドワーズの方があえて積極的に組みを混ぜていくことも考えられると思うんですよ。ウスマンのレスリング能力の高さはよく知られていますけど、がっちりレスリングをやるというより、フェイントでいいので、打撃の中でタックルを混ぜていって、いろんな局面を作っていく。
そうしてウスマンが少しでもイラついて、がむしゃらに前に出てくるようなシーンが作れたら、エドワーズはそこにカウンターの左ストレートを合わせるのがうまいし、また離れ際のエルボーという武器もある。そしてウスマンがテイクダウンに来たら、エドワーズは下からの極めもありますからね」
――前回、2015年の試合では、1ラウンドに三角絞めを極めかけてるんですよね。
「だからそういう仕掛けをすることによって、昔の記憶を呼び起こさせて、ウスマンを退化させるというか。2015年当初のウスマンに戻すことができたら、エドワーズの勝機も広がってくるんじゃないかなって」
――ウスマンを退化させるってどういうことですか?(笑)。
「今のウスマンって、いわば“シン・ウスマン”だと思うんですよ。第4形態ぐらいまで進化しちゃってて(笑)。でも、いろんなことができて、ファイトIQが高いエドワーズなら、組みを織り交ぜたりすることで、レスリングとフィジカル頼みのかつてのウスマンに戻るような局面が作れるんじゃないかと」
――たしかに、これまでのウスマンの防衛戦の相手って、コルビー・コヴィントンはレスリング、ホルヘ・マスヴィダルは打撃、ギルバート・バーンズは柔術といった感じで、一芸に秀でた選手が多くて、エドワーズほどのオールラウンダーではなかったですよね。
「だから場面場面での取捨選択を完璧にすることで、隙のない今のウスマンに隙を作れる可能性があるのはエドワーズなんじゃないかな。もちろんこれはものすごく難しい作業ですけど、そこに期待したいですね」
(聞き手・文/堀江ガンツ)
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◆◆◆WOWOW『UFC -究極格闘技-』放送・配信スケジュール◆◆◆
『生中継!UFC‐究極格闘技‐ UFC278 in ソルトレイクシティ ウェルター級最強ウスマン、6度目の防衛戦!』
8/21(日)午前11:00[WOWOWプライム]※生中継
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
8/24(水)午前1:00[WOWOWライブ]※リピート
(WOWOWオンデマンドで同時配信)
【対戦カード】
・ウェルター級タイトルマッチ/カマル・ウスマン vs レオン・エドワーズ
・ミドル級/パウロ・コスタ vs ルーク・ロックホールド
・バンタム級/ジョゼ・アルド vs メラブ・ドヴァリシヴィリ
【収録日・収録場所】
2022年8月20日<現地>/アメリカ・ユタ州ソルトレイクシティ ビビント・スマート・ホーム・アリーナ
【出演】
解説:髙坂剛、堀江ガンツ
実況:赤平大
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