「サムライは強すぎた」土壇場で冴えた驚異の粘り 対戦国メディアが見た日本の“勝因”「目に見えて力を失っていた」【男子バレー】
ここぞのシチュエーションで強烈なスパイクを叩き込んだ石川。(C)Volleyball World
悲願の頂点にあと一歩と迫った。
現地時間6月29日、バレーボールネーションズリーグ(VNL)は男子ファイナルラウンドの準決勝がポーランド・ウッチで行なわれ、日本代表(世界ランク2位)はスロベニア代表(同3位)をセットカウント3-0(25-21、27-25、31-29)で撃破。初の決勝進出を決めた。
【動画】52年ぶりの快挙!バレー男子日本代表がスロベニアを倒して決勝進出
予選ラウンド1位の難敵を何とか退けた。セットカウントこそ3-0のストレート勝ちとなったが、内容はスロベニアに流れが傾いてもおかしくない紙一重の接戦。その中で第1セットを先取した日本は、驚異的な粘りを発揮。第2、第3セットはデュースにもつれ込む接戦となったが、勝負所で主砲の石川祐希が奮起し、東欧の雄を打ち破った。
目の当たりにした日本の地力に対し、スロベニアの地元メディアも驚くばかりだ。スポーツ専門メディア『Sport Klub』は「狂信的な日本は依然としてスロベニアにとって厄介な存在だ」と銘打った記事を掲載。熾烈な攻防の中で1セットも与えなかった相手を「サムライは強すぎた。彼らを前に我々の代表は目に見えて力を失っていた。攻撃力を普段の勢いと一貫性を欠いた」と指摘した。
さらにスロベニアの日刊紙『Z24』も日本の躍動を「不可能を可能にするほどアグレッシブで、勢いがあった」と激賞。一方で、点差を縮めながらも逆転できなかった要因として、過密日程と移動による蓄積疲労を指摘。「日本はよりフレッシュで、よりエネルギーに満ちていた。一方で重責を担ってきたベテランが多いスロベニアの選手たちには、試合前から疲労の色が見えていた。それだけが理由ではないが、やはり強敵を前に何かが足りなかった感は否めない」と嘆いた。