世界一ハイレベルなバド日本選手権の裏で「女子ダブルス裁判」

タグ: , 2018/12/4

加害者に全責任を負わせる異例の判決に賛否両論

 原告側が控訴し、一審判決を棄却した東京高裁の八木裁判長は「バドミントンはボクシングのように身体接触のある競技ではなく、原告は他の競技者によって危険が生じるとは認識していなかった」「原告の動きが見えていた被告は、ラケットが当たらないように配慮すべきだった」などと指摘し、被害者に過失は一切ないと結論付けた。

 加害者に全責任を負わせる異例の判決に、SNSには賛否両論、さまざまな意見が飛び交った。「後遺症を負うほどのケガだから仕方ない」と判決を支持する声以上に、反対派の意見があふれた。

「仲間同士で訴えた被害者、ケガをさせる気などなかった加害者、双方とも気の毒」
「ただバドミントンを楽しんでいただけなのに、もし保険に入っていなかったら1300万円の支払いは重すぎる」
「裁判官はバドミントンをしたことがないんだろうな。競技特性をまるでわかってない人が出した、信じられない判決」
「そもそも『バドミントンが危険でないスポーツ』の論点がまずおかしい。危険が伴わないスポーツなんてない」
「スマッシュしたシャトル、振ったラケット、汗などですっぽ抜けたラケットが顔や頭に当たるのは競技者なら当たり前のことで、しょっちゅうある」
「とても他人事と思えない。バドミントンもフェイスマスクを装着しなければならない時代になるのか」
「初心者に近いペアだったんだろう。ダブルスでは前衛が後ろを向くことは危険なので禁止と教わるはず。悲しすぎる事故」

 バドミントン競技者、愛好家から多くの「悲鳴」があがった。

もう、そんな事言ったら・・・

  話を総合すると、ある程度の経験者ならば、ありえない事故だという。ダブルスの前衛は、自分の後ろに飛んだシャトルを追いかけてはいけないと教わる。後衛が振るラケットに当たってしまう可能性が高いからだ。今回は一般のバドミントン教室が舞台。
おそらく初級者であった後衛の加害者は、シャトルを返すことで精いっぱいの状態。シャトルを追いかけて後ろを振り向いた前衛の被害者を視界にとらえ、直前で打つのをやめる余裕があっただろうか。

 原告、被告の人間関係など背景は不明だが、そもそも「バドミントンは安全だからケガをしない」説明には疑問符が付く。遊びでもスポーツでも、体を動かす以上、ケガのリスクは避けられない。
今回の判決を受けて対策できることがあるとすれば、自分がいつ加害者に、被害者になるかもしれないケースを考え、年間1000円台で加入できるスポーツ安全保険などに入っておくくらいしかない。

 双方に責任がある一審判決をくつがえした東京高裁の八木裁判長は「スポーツであることを理由に加害者の責任が否定されるのであれば、国民が安心してスポーツを楽しむことができなくなる」と付け加えた。この一文にも意見が殺到し、SNSが荒れた。

「こんな判決が出るなら、それこそ安心してスポーツに親しむことは無理」
「加害者の全責任を認めるこの判決で、バドミントンだけじゃなく、怖くてスポーツができなくなる」
「ケガするかもしれないってスポーツをしなくなる人が増えることを懸念するなら、ケガさせたら賠償金を払わないかもしれないってスポーツをしなくなる人の懸念もしてほしい」
「最高裁で、スポーツに常識的な理解がある裁判官のもと、判決がくつがえるように願うしかない」
「この前例が認められれば、スポーツで少し体に接触しただけでも損害賠償請求できてしまう。何をもって安心といえるのか」
「スポーツもペアでする時はお互いに誓約書を書く時代か。ケガをしても私は訴えないです、と」
「これからは相手に当たりそうになったら、打つのをやめろと指導されるんだな」
「バドミントンを始めようという人は減るだろう。子供に始めさせたばかりだが、この裁判を知ってやめることにした」
「体の接触があるスポーツはすべて危険。ダブルスは危険なスポーツと認定された」

 今回舞台となったバドミントン教室や一般人が楽しめるサークルなど草の根活動こそが、競技の土台を支えている。「女子ダブルス裁判」が、今後のバドミントン界、そしてスポーツ全体にも影響を与えていくかもしれない。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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