体操ニッポンに激辛採点…世界選手権11年ぶり「金メダル0」東京五輪は大丈夫?

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 日本が誇る「美しい体操」で点数が伸びない。11月3日に閉幕した世界選手権(ドーハ)で、日本は07年大会以来の「金メダル0」に終わった。エース内村航平(29)は言った。「審判に文句を言うわけじゃないけど、今大会は全体を通して、日本選手にすごく厳しく点がつけられている傾向があったと思う」。

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 最終日の種目別決勝・鉄棒で、内村は会心の演技を見せたが、結果は銀メダルだった。Dスコア(演技価値点)の高い離れ業を連続させたゾンダーランド(オランダ)の15・100点に及ばず、14・800点のスコアには苦笑い。「メダルの色はいいけど、なんだかなぁ、点数が。ちょっと、『え?』って思いましたね。勝てないとは思ったんですけど、演技はこれ以上ないくらい良かったので、15点くらいはもらってもいいんじゃないかなって」と戸惑いを隠さなかった。

 とくに納得できなかったのが、出来栄えを示すEスコアが8・400点にとどまったこと。技の正確性、つま先まで伸ばす美しさ、ピタリと決めた着地。細部までこだわる演技が内村の、体操ニッポンの得点源だった。採点の低さを分析し「日本が強いからだと思う。2年前のリオデジャネイロ五輪チャンピオンチームだし、僕らに求められているものが大きすぎて、審判が求めているものにまだ、いけてないんだと思う」。

 男子団体も苦戦した。かろうじて3位に入り20年東京五輪出場権を獲得したものの、急成長を見せたライバルの中国、ロシアについていけなかった。出場権獲得のためか、難易度を落とし、美しさを追求した演技構成が多かった日本には「上積み」がないと、審判団の目には映ったのかもしれない。

 04年アテネ五輪で、28年ぶり団体金メダル獲得に貢献した米田功は、採点傾向について「美しい体操より、Dスコア(演技価値点)が高い方が勝負では勝ってしまうことが多い。Dスコアは難しければ難しいほど点が高い。ただ、演技の美しさ(Eスコア)にはどうしても人(審判)の主観が入ってしまうんです」。

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