海外メディアも驚き「坂本が紀平を破った」 ロシア選手権に刺激、女子も4回転時代に突入か!?
フィギュアスケートのニューヒロイン紀平梨花(16=関大)が12月の全日本選手権(大阪)で2位に入り、3月に行われる2019世界選手権(埼玉)の切符を手にした。フリーでは代名詞の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)を2度成功させ、国際スケート連盟非公認ながら自己最高155.01点をマーク。シニアデビュー5連勝とはならなかったが、SP5位から見事に巻き返し、ファンの期待にこたえた。
4選手が合計220点を超えるハイレベルな争いで、ほぼノーミス演技の坂本花織(18=シスメックス)が228.01点で初優勝。3位に入った宮原知子(20=関大)までの上位3人が世界選手権代表に選ばれた。五輪専門サイトのオリンピック・チャンネルは「GPファイナルを制したキヒラを、サカモトが破って日本一になったのは驚きだ。世界選手権は『ロシア対日本』の様相だが、ザギトワが本調子を取り戻さなければ、日本勢が金メダル争いをすることになる」と報じた。
全日本と同時期に行われロシア選手権では大波乱が起きていた。平昌五輪金メダルのザギトワが5位、同銀メダルのメドベージェワが7位に沈み、ジュニア3選手が表彰台を独占。14歳のシェルバコワが4回転ルッツを決めて合計229・78点で初優勝。14歳トルソワも4回転ルッツを成功させて2位。先日のジュニア・グランプリで優勝した15歳コストルナヤが3位に入り、世代交代を印象づけた。年齢制限があるため、ザギトワ含む4位~6位のシニア勢が世界選手権につながる欧州選手権(1月)代表に選ばれた。
これに刺激を受けたのが紀平だ。全日本でフリーの練習前に、ロシア選手権の動画をスマートフォンで見た。大技を難なく成功させるロシアジュニア選手の姿に「あの4回転ルッツ、3回転跳んでるみたいやった」。来シーズンからプログラムに組み込む予定の4回転を「今すぐ練習したい」気持ちになるほど触発された。フリーの会心演技で自己最高点をたたき出したのは、近い将来を意識した「ライバル心」もあったはずだ。