「大谷はまだ“ベスト”ではない」無失点5勝目の大谷翔平は“完全復活”したのか?日本一の投手コーチ・佐藤義則が徹底分析!
そのうえで、ボールをアウトローに集めると、もっと楽に打ち取れるようになるだろう。大谷はベースの中にアバウトに投げる投手で、例えば田中将大のようにコースいっぱいに投げるタイプではない。実際、自慢のストレートも、アウトローいっぱいに決まる場面はあまり見ないはずだ。この試合では、キャッチャーがアウトコースに構えたのに、バッターのインサイドに行ってレフトフライになった場面があった。打ち取れたので結果オーライだったが、あそこでアウトローに投げきれたらバットにも当たらなかっただろう。
大谷がアウトローにボールを集め、そこからスライダーを曲げたりしたら、もっと空振りが取れる。スプリットのコントロールも同じ。いくらスピードがあっても、ボールからボールになる球では見極められてしまう。ストライクゾーンから落ちてこないと、なかなか相手は振ってくれない。この日の大谷は投球時の肘の位置が低く、それがコントロールにも影響しているように感じた。肘の位置はもう少し上げるように修正してもよいのではないか。
このマリナーズ戦で奪った三振は6つ。三振を量産して2桁台に乗せていた時の大谷は、高めの速いストレートを印象付けて、スプリットで仕留めていた。これから縦の変化球の精度が上がり、そうした場面が増えてくれば、大谷本来のピッチングに戻ったと言えるだろう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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