巨人入り有力視の筒香嘉智が抱える懸念 やはり拭えぬ速球への深刻な対応難と貢献度「-0.2」が示す不安
一方で不安がないわけではない。というのも、メジャーに行ってからの筒香は以前のような迫力を失っているのだ。とりわけ深刻だったのは直球への対応である。
もっとも、渡米前から筒香は「速球」を苦手としていた。ただ、DeNA時代は、当時の日本球界における平均球速が144キロ前後であったためにどうにか対応できていたのだが、平均球速が跳ね上がるメジャーでは、案の定、苦戦した。
1年目となった20年の4シームに対する打率はなんと.167。21年(.221)と22年(.225)はやや改善させたが、それでもせいぜい2割前半。4シームに絞らず、いわゆる速球系(4シーム、2シーム、カッター、シンカー)に球種の幅を広げても、打率は20年が.156、21年が.225と低迷。最後にメジャーでプレーした22年には.163と1割台に逆戻りしている。
また、守備と走塁も懸念点だ。メジャーで最も重要視されていると言っても過言ではない貢献度を表す指標「WAR」(打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表すもの)で、筒香のそれはなんと「-0.2」(Baseball-Reference版)。現時点で起用の可能性がポジションとなっているのは左翼だが、指名打者制ではないセ・リーグだけに、不安は拭えない。
もっとも、筒香のメジャーリーグでのサンプルは決して多くはない。さらにいえば、日本球界、ひいてはセ・リーグに戻ることで、かつての猛打を発揮する可能性だってある。
いずれにしても、報道を見る限り、現時点で筒香の日本球界復帰は確実だろう。獲得球団は実績に裏打ちされた可能性と、野球の本場で浮き彫りになった不安材料を天秤にかけ、大きな決断を下す必要がありそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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