「指に異物つけ投球」取り締まり強化にダルビッシュが激怒する理由
パドレスのダルビッシュ有投手(34)が本気で怒っている。
投手が粘着性のある異物を指につけて投げる行為を取り締まる新ルールを、MLB(メジャーリーグ機構)が今月中旬にも行うと報道されたことに対し、猛反発した。
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6日にツイッターで訴えかけるように自身の考えをつづった。
「投手がボールに異物をつけるのあかんかったら、打者も素手で何もつけずに打ってくれ。バットが滑るから何かつけないと振れないとかって理由なら、滑るボール使ってるMLBのピッチャーも一緒。フェアでも何でもない」
「ボールに問題があるってMLBはわかってんのに、お金のためかずっと滑りまくるボールを提供してくる。わかってるんやから、そっちを先にどうにかしましょう」
「飛ぶボールに変わって投手がSOS出してた時、MLBは何してた? あれでどれだけの投手が職失ったんやろ? 自分たちもホームラン打たれまくるわけにはいかんから良くなろうとした。打者が打てなくなったらこれ」
まずMLB使用球は大前提として、滑りやすい。日本プロ野球の公式球と革質が違い、肌触りはツルツルしている。滑らないように投げようとすれば、指に余計な力が入り、腕から肘に負担がかかる。渡米の際にメディカルチェックで異常のなかった多くの日本人メジャー投手が肘を壊す原因の1つといわれ、ダルビッシュはじめ、大谷翔平、和田毅らが靱帯(じんたい)再建手術(トミー・ジョン手術)を余儀なくされた。
滑り止めとして日本でよく投手が使用するロジンバッグは、メジャーではあまり役に立たない。メジャーでは代わりに松やに、シェービングクリーム、整髪料、日焼け止めクリームといった粘着性の高いものを帽子のツバやユニホームにつけ、指先で触るなどしている。もちろん、ルール上は禁止の反則投球だが、「暗黙の了解」とされてきた背景がある。
メジャーでは「飛ぶボール」「フライボール革命」などで近年ホームランが急増していた。だが今季はボールが飛ばず、ノーヒットノーランが続出し「投高打低」の傾向が顕著。そのためか投手の滑り止めが問題視され、粘着物質使用で速球の回転数が増加し、打者が不利になっているという声が出ていた。