スケーターから社業の道へ。元フジ社員・中野友加里とトヨタ社員・小塚崇彦が語る「社業経験」とは
現役を引退したアスリートが歩む「セカンドキャリア」の道は人それぞれ。指導者の道へ進む場合もあれば、解説者やインタビュアーとして競技に携わる場合、あるいは、その競技から離れ、全く違う道へ進む人もいるだろう。
フィギュアスケート女子元日本代表の中野友加里さんがフィギュアスケートを様々な角度からお届けするYouTubeチャンネル「フィギュアスケーター中野友加里チャンネル」では、互いに現役引退後「社業」の道へと進んだ中野さんと、男子シングル元日本代表の小塚崇彦さんが対談。
スケートから離れ、社業を経験して感じたある思い、そしてそこから派生したという「小塚アカデミー」について語られた。
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社会へ出たからこそ気づけた点
現役引退後、当時所属していたトヨタ自動車の社員として、強化運動部での社業に専念していた小塚さん。
スケートという競技から離れ、企業へ務める決断をした理由について、こう語る。
「それまで、親がやっていたスケート教室の生徒の音楽の編集などを頼まれてバイトをしていたことはありました。でも、それって人前に出て何かプランを作ったりということはないので、そういう働き方って絶対知っておいた方がいいだろうなと思っていました。それと、昔からうちの父親に、合う合わないは別として一般の会社で絶対に働けと言われていたんですよね。一回外に出てから、指導者なり自分の好きなことをするのに戻ってきなさいと言われました」
幼い頃からスケートを指導されていた父親の助言もあり、引退後は一般企業へ務めることとなった小塚さん。そこでは、それまでスケート一筋だったからこそ気づけた点が数多くあったという。
「やっぱり全然感覚が違いましたね。選手の時って口に出したらそれを周りが全部やってくれていたのが、(一般企業では)自分で組み立てて上司を口説き落とさないといけなくなるじゃないですか。スケートのプログラムを作るとか、自分を作ってもらうというふうに考えれば、似てるっちゃ似ている部分もありますが・・・。でもそれって、そこに行ってみないとわからなかったことだなって思いました。企画書を作って提案して通してもらい、実行する時にも違う人たちが関わっていて・・・。アイスショーなんかでも、スタッフの方が周りにいるけれども、それ以外のところにも頑張ってくれている人たちがいる。そういった深いところまで見えていなかったなって思いました。企業で働いて良かったと思っています」
一方、引退後はフジテレビに入社し、スポーツ番組のアシスタントディレクターとして番組制作に関わった経験のある中野さんも、
「スケートをやっていた時も、何事も自己責任といえば自己責任ですが、社会に出て働くと、より一層そういった責任感が強くなりましたね。番組一つとっても、アイスショーに関しても、色々な人の手を介して一つの作品なり企画が出来上がっているということを学びました」
と、社業経験を通して感じたことを改めて振り返った。