4回転アクセル習得を目指す羽生に中野友加里「4回転アクセル無しでも勝てる選手」
羽生はベテランの域を超えている
24歳で現役を引退した中野さんだが、現在の羽生の年齢はそれを超える25歳。中野さんによると「ベテランの域を超えているくらいの年齢」だというが、心配される「体力面」について、中野さんはこう解説する。
「25歳にもなると、体力も消耗してくると思うので、スタミナとの闘いにもなってくると思います。おそらく思うように練習が積めなかったりとか、同じ練習量をこなしていても怪我に繋がってきたりと言った悩みを、もしかしたら本人は抱えているかもしれません。ただ、その中でもチャレンジしていくということは、アスリートとしての鑑だと思います。」
野球選手やサッカー選手では30代後半でベテランとされる域も、フィギュアではそれより10歳近く早まる。
今後、4分間滑り切るための体力をいかに中継してチャージしていくかという点で、スケジュールがタイトになってくる時に強いのが10代の体力のある選手と中野さんは語った。
4回転無しでも勝てる選手
ソチ、平昌とオリンピックで金メダルを取ってきた羽生にとって、2年後の北京五輪は自身3連覇が懸かる大会になる。
その大会で4回転アクセルにチャレンジすることが期待される中、そのチャレンジについて中野さんはこう話している。
「私は4回転アクセルなしでも勝てると思います。逆に4回転アクセルを入れてしまうと、周りが注目し、自分自身も緊張してしまう。そして他の要素まで手が行き届かず崩れてしまう可能性があると思います。羽生選手は多種の4回転を跳べる選手なので、そこを活かしたプログラムで加点を積んで勝ちに行くことが良いのかなと思います。」
現在の羽生は、4種の4回転を習得しており、かつ、ほとんどのジャンプにおいて非常に高いGOEを叩き出している。
さらに4回転を組み込まない方が良いとする理由について中野さんは、
「4回転アクセルをやるということは、怪我のリスクが非常に大きいと思います。体力の消耗を考えると、練習で跳べることをアピールしても良いと思いますが、本番でやらなくても勝てる選手が、羽生結弦さんなのかなと思います。」
と、羽生の持つ高いポテンシャルと怪我のリスクを踏まえた上で、4回転アクセルをやらなくてもいいのではと、分析した。
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[文/構成:ココカラネクスト編集部]