【男子バレー】石川祐希の合流で“進化”は加速 ティリ監督が掲げる強化策、新生ジャパンの“長所”とは?
最後のスロベニア戦では攻守で相手を圧倒したとあって、競り合った第1セットをのぞいてスタメンの選手たちが3セットを“完走”。それでも試合後にキャプテンを務める富田将馬(大阪ブルテオン)は「特にこの第2週は途中から入った選手がエネルギーを出して頑張ってくれたので。今日は最初からエネルギーを出していこうと話していました」とチームの戦う姿勢におけるリザーブメンバーたちの存在の重要性に触れていた。
この「エネルギー」という単語から思い出したのは、今年から男子日本代表の指揮を執るロラン・ティリ監督の采配である。2020-21シーズンに来日してパナソニックパンサーズ(現・大阪B)の監督に就任すると、そこではゲームチェンジャーとして誰が適任かを見極めながら采配を繰り出す姿も。試合後の記者会見で選手交代の意図を質問すると、「(その選手が)エネルギーをもたらす存在だったからです」とはよく聞かれたセリフだった。
今回の日本代表でいえば、オリンピックサイクルの1年目とあって、様々な選手を試す意図もあるだろう。と同時に、第2週を振り返って宮浦健人(ウルフドッグス名古屋)が「たくさんのメンバーが試合に出場しましたし、それぞれが結果を残して、いい経験ができている。層が厚くなっていると感じます」と語ったように、日本代表というチーム全体の底上げも図られている最中だ。
そうして7月中旬から日本で開催される予選ラウンド第3週からは、イタリアから帰国した石川祐希(ペルージャ)が合流する見込みであり、違ったメンバー構成でネーションズリーグの表彰台へ歩を進めることになる。コートに立って、チームにエネルギーをもたらす。そんな選手が一人でも増えることで、ここから日本はますます強くなっていくのだ。
[文:坂口功将]
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