菊池雄星、交渉期限まで1週間 気になる代理人の動向
まだ決まらない。西武からポスティングシステムでメジャー挑戦を目指す菊池雄星投手の交渉期限(米東部時間1月2日午後5時、日本時間1月3日午前7時)まで1週間を切った。
仮に交渉期限までに移籍がまとまらないと、菊池の立場は西武へ差し戻し。今オフ中に再度ポスティングシステムを申請することはできない。来季も西武でプレーし、メジャー挑戦は1年間待たないといけない。
期限は迫るが、日米メディアの移籍報道は盛り上がりに欠けている。ウインターミーティング中にマリナーズ、ジャイアンツなど一部球団幹部がラブコールを送ったが、その後の進捗状況は見えてこない。
これには代理人を務めるスコット・ボラス氏の手法も大きく影響しているのだろう。
少しでも良い条件を引き出すため、早期決着には動かない傾向がある。可能な限り時間を使い、マーケットを熟成し、好条件をまとめるらつ腕で知られる。
昨オフのFA市場は、このボラス氏の顧客を中心に異常なまでの停滞を見せていた。有力選手の多くが越年。結果的にこの停滞ぶりが、巨人・上原浩治やヤクルト・青木宣親の日本球界復帰にも遠因した。
ボラス氏も2月を迎えた時点で、J・D・マルティネス、エリク・ホズマー、マイク・ムスタカス、ジェーク・アリエッタ、グレグ・ホランドら所属先の決まらない超大物FA選手を抱え込んでいた。
もちろんボラス氏の戦略だけでなく、昨オフのFA市場が停滞したことには大きな理由があった。メジャー球団は「勝ちにいく年」と「将来に備える年」の区別をはっきりと分かる。戦力布陣を見渡して、昨オフは将来に備える再建期と決め込む球団が多かった。それで大物FA選手には動かず、若手発掘に目が向けられた。ボラス氏は「1/3の球団が勝利に無関心な戦略で、まともな競争が行われていない」とそんな各球団の姿勢を痛烈に批判してもいた。