「現ドラの記事も目には入ってきました」――DeNA坂本裕哉の“下剋上物語” 苦心が続いたドラ2左腕が開花したワケ【独占】

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チーム内での信頼を高める中で、坂本は己をブラッシュアップし続けた。(C)萩原孝弘

悔し涙を流した挫折

 ブルペン陣で唯一の左腕として勝利の方程式に組み込まれた坂本。気づけば、チームに欠かせない存在へと昇華。首脳陣はもちろん、チームメイト、ファンの見る目も変わっていった。

 もっとも、挫折が全くないわけではなかった。オールスターブレイク直前のヤクルトとの3連戦では自身初の3連投も経験。3戦目で初のセーブシチュエーションで踏ん張りきれず、初黒星を喫した。「そんなに疲れがすごくあったという感じではなかったんです。どちらかというと状態はいいぐらいで、準備もしっかりとしてマウンドへ上がりました」と連投の影響はなかったと力説する坂本だが、「結果的にチームを勝たせることが出来ませんでしたので……悔しかったですね。今シーズンで一番覚えている試合ですね」と唇を噛んだ。

 神宮球場は形状上、スタンドのファンの前を通りクラブハウスへ戻る。項垂れる坂本を森原と佐々木千隼がその姿を隠すように寄り添い「『リリーバーなら誰もが通る道だよ』『俺も何度も経験あるよ』との言葉をかけてくれたんです。その言葉が余計に……」と心に刺さり、思わず悔し涙が頬を伝った。それほど悔しかった。

 迎えた後半戦は、JB・ウェンデルケンと伊勢大夢がファームから昇格。ローワン・ウィックも調子が上がっていた。さらに坂本自身の左腕でありながら左打者への被打率の悪さも相まって、ホールドシチュエーションでの登板は減少。輝きはどこか薄らぎつつあった。

「もちろん悔しかったですよ。ですけど、いいところでもう一回投げたいという気持ちより、もう一度信頼を取り戻さないといけなかったですから」

 坂本は冷静に自身の置かれた状況把握に努めた。「小杉(陽太)、大原(慎司)コーチや、キャッチャーの方とも意見交換して、もう1回いいピッチングの形を作っていこう」と足元を見つめ直し、「技術的にはバランスがブレないように、両足をついた状態で体重移動を意識して投げるキャッチボールをルーティンにしました。それも良かったですね」と手応えを掴んだ。

 左打者への対策も「途中まで投げていなかったスライダーを投げるようにしました」と攻め手を変更。きっかけは、メジャーリーグでの経験もあった同僚だった。

「それまではカットしか投げていなかったのですが、大きなスライダーがないと左は嫌じゃないのではと思ったので。イメージはディアスですね。縦割れで左バッターから空振り取れるんですよ。スライダー投げるときだけ、ディアスだと思って投げてました」

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