糖尿病を知っていますか?

タグ: , 2025/6/10

糖尿病を疑ったときはどんな検査を行う?

基本となる検査は血液検査です。血糖値を測定するほか、HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を測定します。
血糖値は直前の食事や運動などの影響をうけて変動しますが、HbA1cは過去1~2か月の血糖の平均を反映します。

空腹状態での血糖値が126mg/dL以上、HbA1cが6.5%以上で糖尿病と診断されます。

そのほかにも血液検査、尿検査、血圧測定などを行い糖尿病の現在の状態を調べたり、併存する生活習慣病を調べたりします。

健康診断を受けている場合にはその結果で代用することもあります。
また糖尿病の合併症の検査を定期的に行うことが重要で、網膜の合併症を調べる眼底検査や、心臓の合併症を調べる心電図検査、動脈硬化の程度を調べる超音波検査などを必要に応じて行います。

糖尿病の治療は?

治療の目標は合併症を予防することで、血糖値をさげる治療を行います。
目標となるHbA1cは年齢や体の状況によって異なりますが、比較的若くて元気な方であればHbA1c7%未満を維持することを目指します。

治療は大きくわけて食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。

食事療法で重要な点は食事全体のエネルギー(カロリー)をコントロールすること、各栄養素のバランスのよい食事を規則ただしく摂ることです。
栄養指導で実際の食事状況を伺い、個々の生活にあわせた食事を提案します。

運動療法では全身をつかって長時間行う運動(有酸素運動)と筋肉を鍛える運動(レジスタンス運動)を取り入れることが効果的で、個々の体力あわせて運動指導を行います。

食事療法、運動療法で十分に血糖値が下がらない場合には薬物療法を行います。
糖尿病の薬には様々な種類があり、患者さんの状態にあわせて最適な薬剤を選択します。

[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)

慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。

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