夏風邪と食中毒にご注意を

タグ: , , 2025/8/5

■ 食中毒とは?

夏は食品が腐りやすく、細菌が増殖しやすいため、食中毒のリスクが一気に高まります。

◆ 主な原因菌
・サルモネラ菌:加熱不足の卵や鶏肉から感染。発熱・下痢・嘔吐が主症状。
・カンピロバクター:生焼けの鶏肉など。潜伏期間が2〜5日とやや長め。
・腸炎ビブリオ:魚介類が原因。強い腹痛や下痢、時に発熱。
・黄色ブドウ球菌:おにぎりなど手で握った食品に繁殖。毒素型で、加熱しても毒素は残ることがあります。

◆ 食中毒の症状
・嘔吐、吐き気
・下痢(水様性または血便)
・腹痛(差し込むような痛み)
・発熱、脱水症状

◆ 食中毒の予防 〜3原則〜
1.菌をつけない(清潔)
 → 手洗い・まな板や包丁の使い分け・清潔な調理環境
2.菌を増やさない(保存)
 → 冷蔵保存を徹底・作ったらすぐに食べる・常温放置はNG
3.菌をやっつける(加熱)
 → 肉や魚介類は中心部までしっかり加熱(75℃以上で1分以上)

■ 夏風邪・食中毒になってしまったら

【夏風邪】
・ウイルス感染が多いため、特効薬はなく、対症療法が中心となります。
・解熱剤・整腸剤・水分補給などで回復を待つことになります。
・高熱が続く、咳が止まらない、呼吸が苦しいなどの症状がある場合は、早めの受診を。

【食中毒】
・自己判断で市販の下痢止めを使うのは危険です。菌や毒素を体外に排出するため、むやみに止めるのは逆効果となることもあります。
・吐き気や下痢がひどい場合は脱水症状に注意し、経口補水液(OS-1など)の活用を。
・発熱や血便、意識低下がある場合はすぐに医療機関を受診してください。

■ 最後に

夏は、楽しいイベントやレジャーも多い季節。
しかし、体調を崩してしまっては台無しです。

「ちょっとした油断」が大きなトラブルにつながることもあります。
日頃の生活習慣を整えるとともに、感染症や食中毒に対する正しい知識と予防行動を身につけましょう。

[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)

慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。

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