姿勢の悪さは首・肩こりと慢性疲労の原因に!本気で解消したい方は必見
首こりや肩こり解消のために、皆さんは何をしていますか?ストレッチをしたりマッサージに行ったりして一時的にラクになっても、その良い状態が続かないという方も多いのでは?
ココカラネクストでは、近畿医療専門学校の理事長であり、柔道整復師・鍼灸師の資格を持つ小林英健先生にインタビュー。慢性的な首こり・肩こりを解消する方法を聞きました。
ボーリングの球、腕を傾けて持ったらどうなる?
カラダの中でも頭が重いことは、皆さんもご存知だと思います。では、その頭を支える首にどれだけ負荷がかかっているかを考えたことがありますか?小林先生がわかりやすく解説してくれました。
「ボーリングの球を持つ時の体勢を思い浮かべてください。肘をしっかりと曲げ、腕(指先)は真っすぐ上を向けていますよね。腕を傾けると球の重さを感じ、倒れないように手にグッと力を入れて球を落とさないように支えると思います。また、ペットボトルを上下逆にして、口元が下にくるように持つと不安定になりますよね。これらと同じように、重たい頭を細い首の筋肉と頸椎が支えていて、その負担は相当なことがわかります。真っすぐ良い姿勢をキープできている時は、筋肉や頸椎への負荷は比較的少ないですが、PCやスマホを見ている時は無意識に前傾姿勢で筋肉は緊張状態にあり、首や肩に大きな負担がかかっているのです。これが『こり』の原因のひとつです。首や肩こりを根本改善するには、首に負担をかけない姿勢を維持することが重要です」
首に手を当てたまま走るとどうなる?
小林先生は、姿勢の悪さは首や肩のこりだけでなく、さまざまな不調の原因にもなっていると言葉を続けます。
「頭は、首にある7つの頸椎により支えられています。首は、横、下、前、斜めなど複雑に動かすことができますが、これは骨や関節に『遊び』がある状態だからできる動きです。もし、頸椎がひとつしかなく、ガッチリと固定されていたらロボットのような動きになってしまいますね。悪い姿勢が続くと『遊び』があるからこそ頸椎がズレやすく、痛みを引き起こすおともあります。また、『遊び』の外に出てしまうことを脱臼と言いますが、これが起こると大変です。自由自在に動く首だからこそ、さまざまな不調が出やすいんですね。
筋肉に栄養を送っているのは血液であり、血管です。心臓から酸素を含んだ血液が背骨へ、背骨から首を経由して脳へ、そして静脈を通って心臓に戻ります。脳に血液を送っている頸動脈(首元の血管)に手を添えた状態では、普通に声も出て息もできます。しかし、走ったり運動したりすると苦しくなると思います。これは酸素不足になっているからであり、少し圧迫されるだけでも体には変化が起きるのです。悪い姿勢により首に負担をかけ続けることは、圧迫していることと同じです。真綿で首を絞め続けながら生活をしているようなイメージですね。姿勢の悪さは、運動能力が低下したり、筋肉の疲労回復を妨げたり。慢性疲労の原因ともいえるでしょう」