糖尿病の初期症状とは? ― 早期に気づくためのチェックポイント
3. 初期症状を見逃しやすい理由
初期の糖尿病では、症状が軽く「疲れのせい」「年齢のせい」と思ってしまうケースが多いです。
また、血糖値が140〜160mg/dL程度では自覚症状が出にくく、健康診断で初めて指摘されることも珍しくありません。
4. 早期発見のために受けるべき検査
糖尿病は血液検査で簡単に確認できます。
空腹時血糖値:126mg/dL以上で糖尿病の可能性
HbA1c(過去1〜2か月の血糖平均)6.5%以上で診断
随時血糖値:200mg/dL以上でも診断の一助
尿糖検査:尿に糖が出ている場合は要注意
5. 初期の段階でできる生活改善
糖尿病は、初期であれば生活習慣の見直しだけで改善することも可能です。
食事:糖質を摂りすぎず、タンパク質と野菜をしっかり
運動:ウォーキング30分を週5日以上
睡眠:6〜8時間を目安に
禁煙・節酒:血管ダメージを防ぐ
まとめ
糖尿病の初期症状は「喉の渇き」「多尿」「体重減少」「倦怠感」「目のかすみ」など。
自覚がなくても進行していることが多いため、定期的な血糖チェックが大切。
初期であれば生活習慣の改善で十分にコントロール可能。
参考文献
1.日本糖尿病学会. 『糖尿病診療ガイド2024-2025』
2.ADA (American Diabetes Association). Standards of Care in Diabetes 2024.
3.International Diabetes Federation. IDF Diabetes Atlas 10th Edition, 2023.
[文:池尻大橋せらクリニック院長 世良 泰]
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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池尻大橋せらクリニック院長・世良 泰(せら やすし)
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人スポーツチームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。






