足首から健康に。土台の「ゆがみ」が与える影響。 家は崩壊!カラダなら?
左右で、靴のかかとのすり減り方が違う、むくみや疲れ方が違う。首や肩、腰、膝に慢性的な張り感や辛さがある。オスグッドと診断されてスポーツができない状態になったり、巻き爪や足裏のタコに困ったり。ケアをして一時的にラクになったとしても、また繰り返してしまう。こうした悩みを抱えている方に、ぜひ注目していただきたいのが「足首」です。自分の「足首」の状態、意識したことありますか?
今回は、オーダーメイドインソールによるフットケアと、正しい靴選びの提案を行なっている足の専門店「足道楽」の運営会社、ビーズラボ株式会社 取締役社長 三河尚さんに「足首と健康」についてお話を伺いました。
ビーズラボ株式会社 取締役社長 三河尚
足首の状態がカラダに与える影響
Q:「カラダのバランス=骨盤・背骨」を思い浮かべますが、「足首」も重要なんですね。
三河:
立っている時、地面と接しているのは足裏であり、足裏から繋がる足首が土台となってカラダを支えています。家を建てる時、土台となる骨組みはとても重要な役割を担っていて、歪んでいれば倒壊の恐れもありますよね。カラダを支える一番下の土台、足首の状態が悪かったり、バランスが崩れていると、膝や股関節、腰、背骨、首など全身に影響を与え、さまざまなカラダの不調に繋がる可能性があります。例えば、足裏に繰り返しできるタコ、巻き爪、外反母趾、偏平足といった足のトラブル。オスグッドやヘルニアなど、スポーツシーンで多く聞かれる怪我や症状。他にも、腰や首の辛さ、冷え・むくみといった慢性的な不調についても、その原因のひとつは足首にあると考えています。足首の状態を知り、良い位置をキープし、正しい着地や蹴り出しの動きができれば、不調や違和感は軽減・解消され、競技パフォーマンスは向上、日常生活もラクになるはずです。
9割9分の日本人の足首は内側に倒れている!?
Q:「不調の原因が足首にある」ということは、あまり知られていないと思います。足首に注目するようになったきっかけを教えてください。
三河:
私は、小さな頃からプロ野球選手になるのが夢でしたが、怪我に悩まされて…その夢を諦めたんです。その後、スキー競技の選手になり、海外で行なわれる大会にも出場できるようになったのです。ある時、朝起きたら右半身が痺れて動けなくなってしまい…。前日まで何もなかったので、「酷い寝違いかな」と思っていたんですよね。でも、車に乗れないぐらい強い痺れを感じるようになり、病院に行ったらヘルニアと診断されました。原因を聞いても教えてもらえず、何だかモヤモヤして。
ふらっと近所の整体院に行ってみたら、「骨が歪んで神経にあたっているのかもしれない」と言われたんです。「えっ、骨って歪む?骨は固定されてないの?」って、物凄い衝撃を受けました。歪みなら寝て起きたら戻るんじゃないかと思ったのですが、長引いてしまい…。それからは伝手をたどって、いろいろな分野のドクターに話を聞くようになりました。そうした中で出会ったのがアメリカの「足病医」の先生で、薦められたインソールを使ってみたら痺れが治ったんです。えっ!って、思いますよね。
インソールはスキー競技では使っていたので存在は知っていましたが、硬いブーツに自分の足を合わせたるためのモノだと思っていたので、怪我の治療にも使えるというのには驚きました。海外には、足を専門に診る「足病医」がいたり、足病医学の発達している国ではインソールを取り入れて足を矯正して痛みを改善したり、怪我の予防をするという考え方が浸透しているんです。
足首やインソールに目を向けるようになったきっかけは、こうした自分の経験もありますが、決め手は、当時勤めていたスポーツショップに来店されたお客様でした。夏はサーフィン、冬はスノーボードのアイテムを扱うお店で、アスリート向けのインソールは販売していましたし、自分も使っていました。ある時、来店された近所の方に「私の方が酷いから」と言われたんです。足を見せていただくと、グッと曲がっているし痛みもあるようで、確かにアスリートよりも状態が酷かったんですよね。きちんとケアをせずに足を傷めたり、動けなくなるのは年齢のせいにして諦めたり…。そういった方がたくさんいることを知り、インソールやフットケアをもっと身近なものにしていきたい、近所の人が気軽に集まれる健康促進店、トータルケアができるお店をつくりたいと「足道楽」をオープンしました。
Q:「足道楽」の特徴は?どのようなお客様が多いですか?
三河:
足道楽は、オーダーメイドインソールによるフットケアと、正しい靴選びのご提案をする足の専門店です。足の長さや幅、足圧に加え、カラダの状態を可視化して分かりやすくお伝えできるように、AI姿勢診断システムを使って全身を測定します。解剖学や骨格の知識を持ち、カスタムインソール作製の技術を身に付けたスタッフが、悩みや不調、ライフスタイルなどを細かくヒアリングして、最適な靴やオーダーメイドのインソールを完成させます。
(「足道楽」HPより)
初めて来店されるお客様で、最初からインソールを作りたい、足裏や足首が気になってという方は、ほとんどいらっしゃいません。膝や腰に痛みがあって歩くのが辛くて、何か良くする方法はないかと探されている方、病院で足底筋膜炎や外反母趾と診断されたけど治らない方、病院の先生から靴やインソールも見直した方が良いと言われた方など、さまざまです。本当にインソールで変わるの?良くなるの?と疑心暗鬼の方もいらっしゃいますね。
Q:お客様の足の状態で共通している点などありますか?
三河:
生活環境やライフスタイル、年齢も10代からご年配の方まで、不調部位や状態も異なりますが、多くのお客様に共通するのは、「足首が内側に倒れている」ということです。足首が内側に倒れることで、正しい着地や蹴り出しができず、姿勢が崩れてカラダの不調やトラブルが引き起こされているのだと考えています。