「こむら返り」を根本改善! 本気で予防したい方におすすめの対策を薬剤師が解説
「寝起きに背伸びをしたら、脚をつって強い痛みが生じた」
「運動中に突然、脚がつることが多い」
このようなお悩みをお持ちではありませんか?
脚のつりは、脚の筋肉が痙攣することによって生じる症状で、別名「こむら返り」と呼ばれています。
通常、こむら返りの痛みはしばらく安静にしていたり、収縮した筋肉を伸ばしてあげたりすることで治まるといわれています。
年齢が上がるにつれて起こりやすくなるため、早めにセルフケアしておくことで、こむら返りの症状に困らない快適な生活を送れるでしょう。
そこで今回は、こむら返りの原因と予防、対策についてご紹介します。
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1. こむら返りの原因は大きく3つ
寝ているときや、急にからだを動かしたときに起こりやすい「こむら返り」。
こむら返りは、血行が悪いときや筋肉の収縮・神経の伝達がスムーズにいかないときに生じやすい症状とされ、原因として「栄養不足、水分不足、冷えや寒暖差」の3つが考えられます。
1-1. 栄養不足
こむら返りは、数ある栄養素のなかでも「ミネラルの不足」が深く関与しているといわれています。
ミネラルは、体内で合成できないため、食物から摂らないと不足しやすい栄養素で、運動時や寝ている時など、発汗時に失われやすいといわれています。
ミネラルのうち、とくにマグネシウムやカルシウム、カリウムが筋肉の収縮・弛緩、神経伝達に関係しているため、これらのミネラルが不足すると、こむら返りを起こしやすくなるといわれています。
1‐2. 水分不足
水分不足は、体内のミネラルバランスが崩れる要因として考えられ、こむら返りが生じやすくなるそう。
体内の水分(体液)には、水に溶ける電解質が含まれています。電解質は、細胞の浸透圧の調節や、筋肉・神経細胞の働きに関与する重要な役割を果たしており、マグネシウムなどのミネラルもこれに含まれます。
そのため、発汗時に水分や電解質(ミネラル)が排泄されると、筋肉や神経細胞の働きを調整する電解質のバランスが崩れ、筋肉が弛緩しにくくなってこむら返りが生じるとされているのです。
また、「熱中症」の場合にも、水分や電解質が不足して脱水が起こり、こむら返りが生じやすいため注意が必要です。
1‐3. 冷えや寒暖差
血液の巡りを停滞させる冷えや寒暖差も、こむら返りの原因といわれています。
ふくらはぎは、「第二の心臓」とも呼ばれているように、末端の血流を上に押し戻す役割があります。
しかし、そのふくらはぎの筋肉が冷えて凝り固まってしまうと、血液を心臓へ戻すポンプ作用が低下して、血行不良を引き起こし、その結果こむら返りが生じることが考えられます。