小麦を食べ続けることで起こる、「腸もれ」を防ぐ方法【前編】
「長生きしたけりゃ小麦は食べるな」(アスコム刊)の著者で医師の本間良子氏が今回教えてくれるのは「脱・小麦」のための方法だ。
小麦を過剰に食べ続けると何が問題かといえば「腸もれ」といわれる、腸の粘膜の細胞が傷ついて炎症を起こし、その細胞にすきまができることで、腸壁にごく微細な穴があいたような状態になってしまうこと。こうなると、細菌や毒素、未消化の食べ物などが臓器や血管へ移行し、炎症や食物アレルギーの引き金となるというのだ。
とはいえ、パン食やうどんなどの麺類も含め、日本人の食生活に密接に結びついている小麦を抜くことは果たして可能なのか?その点について前編となる今回、本間氏は3つのポイントを挙げた。
1.まずは1週間小麦を抜く「ならし運転」を行う。
これまで日常的に小麦と付き合ってきた生活から一転、すべて小麦抜きとなると、正直いってしんどいだろう。そこで「最初はあまり追い込まずに、ならし運転のつもりで脱・小麦生活を行ってみてください」と同氏は勧める。本来、推奨する小麦抜き生活は3週間程度必要だが、最初からハードルを上げても、なかなか続かないことも理解している。そこで最初に「お試し期間」を設けようというのだ。
2.「小さい小麦」は無視、「大きい小麦」だけをやめてみる。
「大きい小麦」とはパンや麺類、多くの人が小麦抜きといわれるとイメージするもの。一方の「小さい小麦」とはカレーやシチューに含まれる小麦粉、餃子の皮やケーキなどを指す。これには天ぷらやフライなどに含まれる衣部分も極端に多くなければOKだという。多かれ少なかれ、誰もが口にしているパン食をまずはやめてみる。この点について同氏は「主食が変わるだけでも大きな変化があるはずです。特に高齢者の多くは朝食にパン食を好む傾向があるため、効果的です」と語る。
朝食にパン食を取り入れている人は多いだろう。ただ試しにこれをごはん食に置き換え、糖尿病の治療をしている人などは朝のパン食を控えるだけで血糖値の値が改善する人も多いという。
このポイントの注意点としては「小麦を抜くからといって、炭水化物全般がNGなわけではありません。炭水化物は体のエネルギーを作る重要な栄養素です。ごはんをしっかり摂るようにしましょう」とパン食に代わる炭水化物をきちんと摂ることも意識しよう。